No. 1321

拭えなかった父への思い
確かに感じた家族の絆
(長野県TY/60代女性/調理師)

会社を営む両親は、私が幼い頃から多忙を極め、家ではほとんど会話がありませんでした。「家庭とはそういうもの」と思っていた私。信者になって、「家族の会話が大切」と学んでも、どうすればよいのか分かりません。家を出て、仕事に打ち込む日々は充実感があり、「忙しいからいっか。私は私だし…」などと考えていたのです。 

それでも心の奥底では、「家族との関係を変えたい」と願い続けていました。だから両親が高齢となった時、実家に戻りました。しかし、そこで分かったのは、父が事業で残した多額の借金。「みんなに迷惑を掛けて…」と許せず、同じ家にいながら、関わりを避けるようになりました。 

何げない会話で明るくなる心

転機は昨年末、父が肺炎で入院したことでした。退院後はめっきり弱り、足元もおぼつきません。見ているだけではらはらして、「父の介護を母任せにしては駄目」と思ったのです。 

といっても、ずっと避けていた父に、どう関わればいいのか…。ためらう思いを祈願しながら、通院の付き添いから始めました。最初は二人とも無言です。でも回を重ねるうちに、「先生こう言ってたよ」「ありがとな」と、小さな会話が生まれてきました。何だか父はうれしそう。それは私も同じでした。不思議と心が明るくなって、「会話っていいな」と思ったのです。教えを難しく考えず、できることから実践すれば、神は必ず応援してくださると感じました。 

家族の心が重なって最期を

それからしばらくして、父は再び肺炎で入院。退院できたのはことしの4月でした。自宅に戻ると、「ご飯が食べたい」と言い、私の作ったおかゆを一口。“おいしい”と得意のOKサインを見せる様子が、元気だった頃の姿に重なって、強く心を打たれました。 

その数時間後、容態が急変。家族みんなが、「お父さん、頑張れ!」と声を掛ける中、自然と目を閉じ、涙を一筋流した父は、静かに旅立っていきました。「ありがとう」と言っているような、穏やかな、穏やかな表情で…。私も葛藤の全てが流れ、ただただ感謝で送ることができたのです。 

今も深まる親子の縁

あれから半年余り、我が家はさらに変わりつつあります。会話が増えてきて、母が体調を崩した時も、妹と声を掛け合って支えることができました。私自身も、家族の気持ちを感じながら話せるように。借金の返済も順調で、今はみんなが集まると、「お父さん、これ好きだったね」「何にも動じない、大木のような人だったね」などと、父の話で盛り上がります。「お父さんはあなたを本当にかわいがっていた」と聞いた時は、「そうだったんだ…」と、心がじんわり温かくなりました。 

穏やかに旅立った父の魂が、もっと安心できるように、温かい家庭を家族みんなでつくっていきます。

家族で「教え」を学び 「真理」で関わる家庭をつくる 努力を欠いてはいけない
 「教え」が家族の心(実体)を引き上げる
 運命に導かれた人生が始まるゆえに 心の動きは安定し 迷う思いは消えてゆく
 心の渇きを潤すものは 家庭に育まれる「愛」
 信者は 「教え」を学び 「心の道」をつなぐ人生をゆくべし

家族で「教え」を学び
  「真理」で関わる家庭をつくる
       努力を欠いてはいけない
 「教え」が
    家族の心(実体)を引き上げる
 運命に導かれた人生が始まるゆえに
    心の動きは安定し
        迷う思いは消えてゆく
 心の渇きを潤すものは
        家庭に育まれる「愛」
 信者は 「教え」を学び
  「心の道」をつなぐ人生をゆくべし

『真実の光・神示 令和4年版』95ページ(中略あり)