No. 298

素直な心になれた不思議
家族の絆を深める機会に
(岩手県SF/60代男性/貨物船舶乗務員)

私は、貨物船舶の船員として、一年のほとんどを船上で過ごしています。このたび、わずかな陸上での滞在期間に、60歳の節目の儀式を受けることがかないました。

式が進む中で、人生の数々の場面が走馬灯のごとく思い返されました。中でも、強くよみがえってきたのは、家族との日々でした。伝導師から、神のお言葉である神歌を伝えられた瞬間には、涙が込み上げました。「日々『心の道』歩みし我は、果報者なり、仕合せ者よ」まさに自分のことと感じたからです

家族の言葉から伝わってきた愛

儀式中、妻がお祝いの言葉を述べてくれました。「お父さんが長年、過酷な仕事を頑張ってきてくれたから、私たちは安心して今日まで過ごせました。本当にありがとう」と。涙ながらに語るひと言、ひと言が、私の心に深く染み入ってきました。

そして、コロナの影響で参列できなかった、県外に住む娘の手紙も代読してくれました。「21年間、私を計り知れないほどの愛で育ててくれました。その愛情は今、私の支えとなって、心の中に生き続けています。家族のため、社会のために頑張るお父さんを見習って、私も人の役に立つ人間になりたいです」少々照れくさかったですが、本当にうれしかったです。

家族と歩む「人生」という航路

私も、不思議と、日頃はなかなか言えなかった感謝を伝えることができました。「家族がいてくれたから、仕事を続けられました。掛け替えのない家族のために、これからも頑張りますのでよろしく」と。神の御前で受ける儀式だからこそ、素直に言葉にできたのだと思います。

神魂の儀は、私にとって、生涯忘れられないひとときになりました。儀式を通して、家族の絆がより太く、力強いものになった実感もあります。

家族と一緒なら、何があっても乗り越えていける。今は、そんな気持ちでいっぱいです。人生という大きな航路を、これからも家族と共に、楽しく歩んでいきます。