抜群の運動神経を持つ夫。太極拳の全国大会で金メダルを取り、トライアスロンや居合道もしていました。その夫が、神経の難病である、多系統萎縮症と診断されて5年。治療法は確立されておらず、少しずつ動かなくなっていく夫の体…。今は会話ができず、人工呼吸器も着けています。
フタをせずに向き合うと
夫を自宅で介護する生活は、医師、看護師、ケアマネさん…と、多くの方々に支えていただいています。時間に追われがちですが、朝は必ず神示に触れて、夜は夫と『生命の歩み』を開きます。その中で、ことしは今まで以上に、自分の「心」と向き合えている実感がありました。
例えば、介護スタッフの方に、「この対応はおかしいんじゃない?」と否定に向いてしまった心の動き。「こんな自分が嫌だけれど…まあいいや」と臭い物にフタをしてきた自分に気付き、すぐ祈願。すると、「これまでやってきてくれたこと」に目が向いて、感謝が持ててきます。それは、まるで景色が変わるような感動です。
夫が教えてくれた思い
言葉が話せない夫とのコミュニケーションができているのも不思議です。ビーフカレーを作った日のこと。食べ終えた夫が上を見上げ、必死に指を動かしています。ハタと気が付きました。「『2階にいる私のお母さんにも食べさせたい』ってこと?」夫は、目をパチパチ。「うん」の表現です。おいしい物を家族に分けてあげたい。夫の優しさに教えられた思いでした。
「何でも」言い合える夫婦に
我慢強い夫は、病を宣告されても、泣いたり、荒れたりしませんでした。きっと当時は、つらさも苦しさも、自分の胸に秘めていたのだと思います。
でも今は、「嫌」とか「うれしい」という気持ちを、一生懸命表現してくれます。私が、「去年より仕合せ?」と聞くと、去年が思い出せない様子。「今、仕合せ?」と聞くと、即うなずいてくれました。「私、変わった?」と尋ねたら、口の形で「や・さ・し・い」。だから、私も言いました。「あなたも変わったよ。いろいろな本心を言ってくれてうれしい」と。楽しいときも、つらいときも、感謝も、愛の言葉もありのままに伝えられるから、心に生きるエネルギーが湧いてきます。
そんな中、不思議なことが…。「余命5年」と宣告された夫の病。体の固縮がどんどん進んでいくはずなのに、何と今、自分で腕を伸ばせ、表情や、のみ込む力も良い方向に。薬の量まで減ってきているのです。夫は、もう私の分身のようで、「二人で一つだな…」と思います。共にいられることがうれしく、この人生に感謝しかありません。
「家庭」――人が悔いなき人生を歩みきるため 欠くことならぬ環境
信者は 家庭の真実「真理」を知って
「真理」に生きる家庭を 今こそ築く努力をする時
「教え」が家族の心を一つに重ね 支え 補い合って「生きる」心(愛情)を強くする
「真実の愛」に生きて 人間は 天命を全うできるのである
「家庭」――
人が悔いなき人生を歩みきるため
欠くことならぬ環境
信者は
家庭の真実「真理」を知って
「真理」に生きる家庭を
今こそ築く努力をする時
「教え」が家族の心を一つに重ね
支え 補い合って
「生きる」心(愛情)を強くする
「真実の愛」に生きて
人間は 天命を全うできるのである
『真実の光・神示 令和2年版』15ページ