No. 1154

高齢の母の予期せぬ変化
全てがプラスに転じる喜び
(東京都KA/60代男性/無職)

93歳になる母は、しっかり者。チャキチャキしていて、元気に一人暮らしをしていました。その母が3カ月ほど前、買い物帰りに転倒。その数日後には認知症状が出て、ろれつが回らなくなり、手足も自由に動かなくなり…。息子である私の顔も分からず、手伝いに来てくれた妹のことは、「知らない女の人が来た!」と追い返してしまったのです。予期せぬ出来事に大混乱でした。 

「母の気持ち」が見えると…

それまで一人暮らしをしていた私ですが、介護のために実家に戻ることにしました。久しぶりの母との生活。実の息子が他人になっているため、それは大変でした。不安で不安でたまらない気持ちを、常に祈願。それができなければ、心は折れてしまっていたでしょう。 

母から突然出た本音。「何で全部忘れちゃうんだろう…」そう言って涙を流します。ただただ不安を取ってあげたい…と心が動きました。3LDKの我が家。そこに93歳になるまで、たった一人で暮らしてきた母の寂しさ。母の心が見えてくる気がしたのです。

親子で神に手を合わせる毎日

母は、昔から神様嫌いで、かたくなに信者籍を置こうとはしませんでした。でも、「神様に祈願してみようか」という話をしたら、「うん」とうなずき、その後、本当に信者になったのです。「こんな母親を神様に導いてくれてありがとう」と言われた時は、「良かったねー」と、思わず母の手をぎゅっと握ってしまいました。 

朝夕朝夕、私の隣で神に手を合わせる母。そこからの回復は、驚くものがありました。今は、私の顔もちゃんと分かるようになり、トイレにも自分で行けます。直前の記憶をまるっきり忘れることもあるものの、転倒する前の元気な母親に回復しつつあるのです。 

認知症状が出ても動じない心

ただ、どうやら私とは別居していると思っているようで、「帰り気を付けてね」「これ、持って帰って食べたら」と話し掛けてきます。その言葉にこもる母の優しさ。私の心は感謝でいっぱいになり、もっと親孝行したい思いが膨らむのです。

母が「私はいつまで生きられるかな」と言うので、「100歳まで」と答えると「それは無理」との返事。「じゃあ、あと5年?」「う~ん」「2年?」「うん!」そんなやりとりをしながら思います。母との時間は有限。たくさん会話して、たくさんの思い出を共有していきたい…と。 

弟や妹には、「母親だより」という名のグループLINEで、母の状況を伝えています。「いつもありがとう」「今度は私が手伝いに行くね」などなど、母を思う心が重なって、優しい空気が流れています。 

片や今の社会の流れは、大変動。私の日常も大変動でしたが、振り返ってみれば、全てがプラスに転じ、「災い転じて福となす」の典型とも感じています。神の教えと祈願で頂く安心感は計り知れません。どんな出来事も乗り越えられると確信しています。

――命の尊さ 生ある今の喜びを
    心の芯から悟れる「我」を 目指してごらん――
 目指すところに 人の心は深みを増すのである
 親への敬い 人への気配り 環境への愛着が深まる
 この心の深さが 生きる喜び 生きがい多い人生を呼ぶのである

――命の尊さ 生ある今の喜びを
   心の芯から悟れる「我」を
         目指してごらん――
 目指すところに
     人の心は深みを増すのである
 親への敬い 人への気配り
        環境への愛着が深まる
 この心の深さが
  生きる喜び 生きがい多い人生を
            呼ぶのである

『真実の光・神示 平成16年版』40ページ