No. 1155

味わったことのない
「家庭の温かさ」を知って
(静岡県HT/70代女性/パート)

「家庭の温かさ」を私は知りません。生みの母とは、5歳の時に離別。理由も分からないまま、父に引き取られました。そこには、後に育ての母になる人がいました。 

近所でもうわさの複雑な家庭ということで、周りは優しくしてくれました。でも、本当はずっと寂しかった…。小さな弟の手を引き、もう一人の弟をおんぶして、死のうと線路に立ったこともあります。でも、弟が泣くので、仕方なく家に帰りました。 

信者になって初めての気付き

18歳で東京に出て、20歳で死のう…などと考えていた私です。ところが、しがらみから解き放たれた都会の暮らしは楽しく、そのうち夫と出会い、子供も生まれました。 

神示教会の信者になって、初めて神の教えに触れた時、「私、義母に心から感謝を伝えていない」とすぐ気付きました。だから、すぐ伝えに行きました。義母は「おまえが素直になった」と喜び、「これ持ってけ」と段ボールに荷物をせっせと詰めてくれました。肩を震わせ、泣きながら…。その時、抱え続けてきた苦しさが、一気に流れていく心の不思議を体感したのです。 

「太いつらら」を溶かすために

しかし、夫とは心が通わずに離婚。やがて娘と暮らし始めましたが、今度は娘とも心が通わなくなりました。私が仕事の話をすると、「お母さんって、ほんとネガティブ」「職場から一歩出たら、全部捨てて帰ってこないとね」と突き放します。何て冷たい子…。 

その冷たさのもとが、親の私にあったと気付いたのは、真剣に神の教えを学ぶようになってからです。子供の頃から流してきた涙が心の中で凍って、まるで「太いつらら」のようになり、私の言葉や態度には、人を思いやるとか、優しく包み込むといった、ぬくもりがなかったのです。これが、家庭の温かさを味わえなかった原因。絶対にしたくないと思っていた生き方を、家族にしてしまったことを反省しました。ここから私は生き方を変えたのです。 

娘との間で、少しずつ「えらいね」「頑張ったね」の会話が増えていきました。ことしの母の日、娘からの「いつもありがとう。よかったらケーキ食べて」の言葉は何よりうれしかったです。 

親への感謝が深まっていく奇跡

今になって、やっと分かった親の思い。幼い頃、寂しくて泣き叫びながら、張りたての障子を破いた時、義母は何も言いませんでした。私の気持ちを分かってくれていたんだな…と思います。義母だけでなく、子供を手放した実母のつらさや父の苦労。そんなところに思いを巡らせていると、私の心には「生んでくれてありがとう」と、何とも温かい気持ちが込み上げてくるのです。 

家庭の温かさを知らずに育ったと思っていましたが、今では全てが感謝に変わっています。それは、神示教会の信者だからこそ得られた心の変化と、自信を持って言い切れます。「私、仕合せ」と心の底から思う毎日です。

「真理」を学び 姿(人生)に表すほどに
    家族の心はまとまり 重なり合って 心の道を紡いでゆく
 「人生」――行く道(人生)は来る姿につながるもの(存在)
――真の仕合せは 和心育む家庭(環境)に在る――
 この一言気付いて 「学び」深める人であれ

「真理」を学び
    姿(人生)に表すほどに
  家族の心は
    まとまり 重なり合って
         心の道を紡いでゆく
 「人生」――
   行く道(人生)は
    来る姿につながるもの(存在)
――真の仕合せは
   和心育む家庭(環境)に在る――
 この一言気付いて
       「学び」深める人であれ

『真実の光・神示 平成24年版』88ページ(中略あり)