人と話すのが好きな私には、うってつけ。そう思って去年から始めた、お弁当販売の仕事。店員が数名の、小さなお店です。接客業は初めてということもあり、意気込んでいました。
教えを実践していたつもりが…
仕事で大切なのは「奉仕心」。人に関わっていく心…と神の教えで学んだので、お客さまがいらっしゃると、サッと近づきご挨拶。そんなふうに頑張っていたある日、お客さまからクレームが届いたのです。
その手紙には、「金銭のやりとりをする時、店員が財布に手を突っ込んでいた」と書いてありました。そんなことはしていませんが、お客さまを手助けするためにと、近いことはやっていたかもしれません。手紙の最後には「不愉快」とあり、一気に自信をなくしてしまいました。
欠けていたのは「温かい関心」
おまけにミスも増え、自分が情けなく、偉光会館で職員に思いを吐露しました。その時に言われた、「仕事は、温かい関心を持って人に関わっていくことなんですよ」という言葉が、とても心に残ったのです。
単に「人に関わる」だけではなく、「温かい関心を持って関わる」。よく考えると、私は、「この店には良い販売員がいる」と思われたい…と、自分に関心を向けていました。だから、祈願も「ミスしないように」など、自分のことばかりだったのです。私がどうこうではなく、お客さんに「ここで買って良かった」と思ってもらえるように…と祈願し始めました。
お客さまの「背景」を感じて
ある日、お父さんと小さな子が、お店に来ました。注文したのは、子供に人気のお弁当。でも、それは売り切れ…。「残念だろうな」と思ったら、体がカウンターの外に出ていました。子供に目線を合わせて、「ごめんね」と言うと、別のお弁当を「じゃあ、これ!」と、うれしそうに注文してくれたのです。帰り際には、「またここに来たい!」。私もうれしくなりました。
一口にお客さまと言っても、一人一人に「背景」があります。「病を患った夫の好物だから…」と、毎回同じお弁当を買う方。新作のお弁当をいつも楽しみにしている方。「温かい関心」を意識し始めると、いろいろなことが見えてくるのです。お客さまも心を開いてくださるのか、会話が弾みます。
最近、常連さんが私の顔を見て、「会えて良かった~」などと声を掛けてくださるようになりました。お客さまが来てくださって、短いやりとりでも会話ができて…。「出会いは楽しいもの」。そして「ありがたいもの」。一つ一つの出会いが、私の人生を仕合せにしてくれています。
「心(運命実体)」で生きる人間は
実体を高めるほど 生きがい多い人生を歩んで行ける
品性が人柄に映る人(存在)を目指してごらん
自然と自己を思う心の動きが 他者へと向かう
真の愛が純の愛へと気付きを広げ 奉仕に生きる自覚が持てる
「心(運命実体)」で生きる人間は
実体を高めるほど
生きがい多い人生を歩んで行ける
品性が人柄に映る人(存在)を
目指してごらん
自然と自己を思う心の動きが
他者へと向かう
真の愛が純の愛へと気付きを広げ
奉仕に生きる自覚が持てる
『真実の光・神示 平成30年版』200ページ(中略あり)