No. 1086

連絡が取れなくなった息子
「親心」を見詰めた先に…
(石川県NM/50代女性/パート)

夫が単身赴任。その間、長男は大学を卒業し、就職を機に家に戻ってきました。次は、次男の就活です。2人目だから…という安心感もあり、私たち夫婦は、状況を聞きつつ、本人の気持ちに任せていました。

次男は、希望の旅行会社に就職したものの、社会はコロナ禍で一変。入社手続きに1日出社したきり、自宅待機になってしまったのです。延長に次ぐ延長で、1年半の待機生活。私も夫も、1人で暮らす次男の精神状態が心配で、「今できる勉強をしたらいいよ」などと励ましていました。

なぜ何も言ってくれないのか?

ところが突然、次男から「会社を辞める」との連絡。事前に何の相談もなく、意思は固いものでした。しかも、それっきり音信不通になってしまったのです。

問題を乗り越える時、大切なのは「夫婦の重なり」と神の教えで学んでいます。まずは、夫と話し合うことから。「何で何にも言ってくれんのや? あんなに聞き分けのいい子だったのに」。そんなふうに2人で話していて、気付いたのです。「何も言ってくれない子」ではなく、「何も言ってもらえない親」だった…と。

次男が幼い時、夫が家で仕事をしていると「静かにしてね」「お父さん、仕事中だから」と言い聞かせたことを思い出しました。そうして少しずつ、次男の思いを抑え付け、「思いを語らない子」に育ててしまったのです。よくよく考えると、私も子供の頃、父が怖くて自分の気持ちを話せませんでした。「親に思いを語れない」という実体を、子供に根付かせてしまったのです。

家族みんなで次男を思う

なぜ連絡をくれないのか、今どうしているのか。そこに躍起になるより、まずは「息子の心が温かくなる言葉」をメールで伝えていきました。「きょうは寒いね」「元気にしてる?」などなど…。既読マークが付いただけで、夫と大喜び。次男からも短い返事が来るようになった頃、長男が、兄弟2人で会う機会をつくってくれました。

長男は、「あまり親に心配掛けるなよ」などと話したようで、これを機に、次男からの連絡も増えました。「家族みんなの心が近くなったね」。夫婦の会話も、こんなふうに喜びを語ることが多くなっていきました。

「この家族で良かった…」と

やがて次男は別の仕事に就き、やりがいを持って働いています。先日は、夫の60歳の誕生日。「神魂の儀(長寿の祝い)でお祝いしよう」と提案したら、トントン拍子に話が進み、全員で参列できました。お祝いの言葉を伝える場面で、長男は、父親への尊敬と感謝を語り、次男も、「お父さんやお母さんのように、いつか自分も家庭を持ちたい」と、うれしい言葉をくれたのです。

儀式の後、外で撮った家族写真は、スッキリ晴れた空に4人の笑顔。思い出の一枚になりました。「これからも、この家族と思い出を積み重ねていきたい」。そんな温かい思いが、私の心に広がっています。

家族とのつながりは 「教え」のある家庭には 自然と会話が増えて 深まって行く
 相手の気持ちを受け止め 我が思いを重ねて言葉を返す
 この繰り返しに 絆が生まれる
――仕合せの基は和のある家庭
    夫婦は仲良く心(運命)を重ね 親子は心(感情)の交流を 欠かさぬこと――

家族とのつながりは
  「教え」のある家庭には
     自然と会話が増えて
            深まって行く
 相手の気持ちを受け止め
     我が思いを重ねて言葉を返す
 この繰り返しに 絆が生まれる
――仕合せの基は和のある家庭
  夫婦は仲良く心(運命)を重ね
     親子は心(感情)の交流を
          欠かさぬこと――

『真実の光・神示 平成30年版』144ページ