(愛知県SC/50代男性/社会福祉法人職員)
障害のある人の役に立ちたいと考え、障害者福祉施設に勤めて30年。工場の作業や寮生活をサポートしたり、車いすマラソンを手伝ったり。彼らが生き生きと生活できるように、心を尽くしてきました。
投げやりな心を立て直せたのは
充実した日々の中、業務をこなせばスキルアップし、当然、昇進すると思っていました。ところが、評価は毎回「普通」。しかも昨年の人事異動で、15歳も年下の後輩が昇進したのです。私の方が仕事はできるし、国家資格も取り、結果も出してきたのに…。「今まで何をやってきたのか」と、やりきれない気持ちになりました。「指示どおりの仕事に昇進はない」という上司の言葉も釈然とせず、会話は必要最低限に。職場で存在を消すようになったのです。
そんな時、親身に寄り添ってくれたのが、神示教会の係さんご夫妻でした。2人が話してくれた体験談。病気で苦しい時も、希望にあふれ、力強く乗り越えている姿が心に響きました。「どうして、こんなに明るいんだろう」。私も変わりたくて、朝夕、神に祈願。自身の姿を、冷静に見詰め直すことができたのです。
積極的に関わる気持ちへと変化
あらためて見えたのは、自主性に欠け、「どうすればいいですか?」と、無意識に丸投げしていた自分の姿。同時に思い出したのが、上司が掛けてくれた言葉の数々でした。「私も頑張るから、頑張ってほしい」「一緒にやっていこう」。いまさらながら、温かさが心に染みました。
上司は、福祉に熱い思いのある方です。それゆえ厳しさもあり、過去には、「○○でいいですか?」「○○しては…」という提案を、駄目だとはね返されたことも。いつの間にか自信をなくし、指示されたことはしっかりやっても、そこ止まりに。いつまでもへこたれていないで、「もっと上司の思いを感じ取りながら、積極的に関わっていこう」。そんな前向きな思いが、ジワジワッと込み上げてきたのです。どうすれば障害のある人たちの役に立てるか…。一生懸命考え、まずは提案してみよう。あんなに自信も意欲も失っていたのに。自分の変化に、びっくりでした。
皆さんの笑顔がやりがいに
以来、いろいろな提案をしています。上司も即座に返答してくれて、一層やる気がみなぎります。少し前には、施設を卒業し、一般企業に勤め始めた障害者へのフォローの在り方を提案。表情からリアルな不安や困り事が理解できるので、電話だけでなく、直接会いたいと考えたのです。実際、的を射たアドバイスができ、双方の安心感につながりました。働きやすくもなるようで、皆さんに喜ばれています。
仕事に必要な心を省みることができた、今回の体験。どうすれば皆さんの良さが輝くか、自分にどんな手助けができるか…。人のために、できることを精いっぱい。そんな奉仕の心が膨らんだら、自然と昇進へのこだわりは消えました。後輩を思う気持ちも復活し、頑張ってほしいという純粋な心で、やりとりしています。上司との信頼関係も築けて、自信がつき、人の役に立てるありがたさをかみしめる毎日です。
思えば、困っている人に、当たり前のように手を貸す母を見て育った私に、福祉の仕事はぴったりでした。それなのに、形にとらわれ、出会いを生かしきれていなかった…。もし、暗い心を引きずったままだったら、「定年まで、何とかやり過ごせれば、それでいい」。今も、悶々(もんもん)とした気持ちで働いていたはずです。でも、それは過去のこと。今後も奉仕の心を磨き、一つ一つの出会いを大切にしていきます。
仕事は 奉仕の心が身に付くほどに
万象の関わりが生かされて
大きな成果を生む
知識 努力 経験は
万人・万物と正しく関わることで
生きるもの
よって 奉仕の心を知り
身に付ける努力が大切
この思いが深まるほど 人間は
「正道」に生き
多くの人々に愛され 信頼される
ますます
奉仕に生きる思いが引き出され
仕事が楽しい時間と成って行く
(令和7年3月23日)

