(大分県MI/20代女性/文具店勤務)
「お父さんが倒れたの。救急車で運ばれてる」。母から入った突然の知らせ。頭の中が真っ白になりました。
脳梗塞を起こした父は、本来なら、半身不随や寝たきりの可能性もあったそうです。しかし、たまたま隣に母がいて、判断が的確だったこと。近くに消防署があって、すぐに救急車に乗れたこと。搬送先の医師の判断で、次の病院に運んでもらえたこと…。医療スタッフに、「守られていますね」と言われるほどのご守護の中、何と8日で退院がかないました。涙が止まらない私と弟に、父は「心配掛けたね」と困ったような優しい笑顔。「もっと家族を大切にしよう」。そう強く決意した瞬間でした。
少しの実践で大きな変化が
家族と不仲だったわけではありません。けれど、神の教えを学び、関わりの薄さに気付きながら、自分を変えられずに過ごしてきました。何度も祈願し、日頃を振り返っていくと…。私が家族に話していたのは、①「○○するね」などの伝達、②相手を正そうとする正論。この二つだけだったと見えてきました。「どうせ言っても」と黙り込むことも多く、これで縁が深まるはずがなかったです。もっと家族の“気持ち”を知って、自分も語っていきたいと思いました。
そうしたある時、母が不意に表情を曇らせました。私、何か言っちゃったかな…とモヤモヤ。以前なら黙ってしまった場面です。けれど、思い切って「私のせい?」と尋ねると、驚いた母は、「ちょっと考え事をしてたのよ。あなた、もっと何でも話しなさい」と、逆に私を案じてくれました。家族と何でも話すだけで、日常は一気にシンプルに。一人で抱え込むクセが、物事を複雑に見せていたと気が付きました。
また別の日、どこで外食するか話していると、「いつもの店に」と父。強引なんだから…。ムッとしかけて、ふと、何でかなと考えました。そういえば、前に「あそこは落ち着く」と言ってたな。だったら、私もそこにしたい。そんな気持ちでいただいた食事は、最高においしかったです。偶然、信者仲間にも会えて、父に「ここにして良かったね!」と伝えると、うれしそうな笑顔に。考えてみれば、言い出したら引かないのは、私も同じ。責めるより、気持ちを重ねて、分かり合いたいと思いました。
不思議と、この頃から、周りの人との関わりにも変化が。「もっと相手の気持ちを知りたい。私も伝えたい」。職場でも、そうした思いが湧き上がってくるのです。「明るくなった」「生き生きしてる」と言われることが増えていきました。
掛け替えのない存在と分かって
あれから4カ月、父は、趣味のパラグライダーを楽しめるほどに回復。私は以前の仕事を退職し、家業の手伝いを始めました。これまで、どれほど家族が支えてきてくれたか…。そこが見えた時、あらためて力になりたいと思ったのです。お店には顔なじみのお客さまも多く、これまで両親が大切に育んできた縁を感じます。新たな商品を見ると、「これは喜ばれるぞ」「早くお届けしたいね」と言う父母。お客さまに誠実な姿が誇らしく、少しでも近づきたいと思える“今”が仕合せです。



家庭は 真実の愛を育み
「心の道」を太くつなぐ 魂の苗床
家族で「教え」を学ぶことで
人間(ひと)の魂(こころ)は
安定し
「真理」で関わり 支え合う
愛情(おもい)を強くする
この愛情(こころ)が
奉仕心を芽吹かせ
「運命」に守られ
「正道」をゆく人間(ひと)を
造る
和のある家庭は
病気 事故・災難を呼び込まず
家族の心は
愛と信頼と期待で結ばれてゆく
(令和7年4月23日 『友輪』344号30ページ〈中略あり〉)


