No. 204

極楽になった我が家
頑固な夫が変わったのは…
(兵庫県YT/80代女性/主婦)

経営者として、陣頭で指揮してきた夫は、決断力がある信念の人。しかし、家庭では頑固な人で、とにかく逆らわないように50年以上暮らしてきました。

昨年、神の館での孫の儀式に参列してほしいと、娘夫婦から声を掛けられました。「家のことは任す」、それが夫の態度ですので、日程は娘と決めました。

しかし、夫は自分に相談がなかったことが、気に障ったようでした。何とか、当日は来てくれましたが、いざ神の館に到着すると、「駐車場で待っているから行ってこい」と言うのです。「おじいちゃんにも祝ってほしい」という、孫の言葉でようやく建物の中へ入りました。

夫を頑固者にしていたのは自分

ところが儀式では、家族の誰よりも神へと礼を尽くす夫の姿が。それを真っすぐに見詰める孫の姿に、夫を頑固者にしていたのは、自分だったのかもしれないと気付きました。

それからは、今までのように、「逆らわなければいい」ではなく、「夫の思いを素直に受け止められる自分になりたい」と神に願いました。そして、「もう無理」などと決め付けず、「お父さん」と笑顔で話し掛けることを心掛けたのです。

そのうちに、家に来ても私としか話さなかった娘が、「お父さん」と夫とも話すようになりました。だんだんと、親子三人での会話も増えていきました。

夫の言葉に驚きと仕合せを

ある日、娘家族を手料理で迎え、片付けていた時のことです。いつもは、早く床に就く夫が起きているので、「お休みにならないのですか」と聞くと、「片付けは終わったんか。きょうは大変やったやろ。おおきにな。早く休めよ」と言うのです。夫の優しさに、驚くとともに仕合せを感じました。

逆らわないことが、夫とうまく付き合う方法と思っていましたが、大きな間違いでした。今では、夫といる我が家が極楽と心から思える毎日です。