No. 1761

心の歩調を合わせて
穏やかな夫婦生活を手に

(鹿児島県KH/60代女性/主婦) 

せっかちな私は、何か聞くと、すぐに体が動くタイプ。一方の夫は、冷静に耳を傾け、よく考えてから事を進めます。反応がゆっくりなので、私はつい、「あれは、どうなってる?」「これは、してくれたの?」と、せかせか尋ねていました。 

思いがけない夫の言葉に反省

ある日、普段どおりの会話をしていた時、夫が、「いつもせかされて、責められているみたいだ」と言ったのです。「え!?」と正直驚きました。なぜなら、私はただ気になったことを確認していただけ。責めているつもりは全くなかったからです。家事や仕事、家の農作業の手伝いに追われ、早く早くと駆け回るように動いていた私のテンポを、夫がそんなふうに感じていたなんて…。深く反省し、「ごめんね。きつく聞こえていたのね」と素直に謝りました。 

日頃、神の教えで学んでいるとおり、会話はキャッチボールのようなもの。私が投げ掛けた言葉を、「夫がどう受け止めるか」。その視点が欠けていたのです。夫が受け止めやすい言葉を選んで話そう。優しく、丁寧な言い方を意識しよう。そう心に誓いました。 

夫のペースを感じ取って

それからは、まず夫のペースを感じ取ることを意識しました。「ゆとりがなさそうだな」と思ったときは、今でなくていい話は後に。夫と一緒にいる時も、知り合いと会うと、気にせず話し込んでいた私が、「ちょっと話してきていい?」と夫にひと言。「待っててくれてありがとう」と伝えることも心掛けました。その積み重ねに、少しずつ会話が穏やかに変わり、お互いに気持ちよく過ごせるようになっていったのです。 

「ゆっくり」の裏には…

そんな中、夫が町内会長を引き受けることになり、私も精いっぱい支えようと決意しました。大きな懸案事項が残っている状態からのスタート。不安を持ちながらも、「地域の方のために頑張ろうね」と夫婦で励まし合いました。回覧板に添える文章も、気持ちよく読んでもらうには…と、二人で意見を出し合って作成していったのです。すると、思わぬ協力者が見つかって、驚くほどの速さで問題が解決したり、町内のイベントには大勢の方が集まってくれたり、良い方向へ進んだのです。一緒に動く中で、夫の良さもどんどん見えてきました。常に町内の方々の状況をおもんぱかり、人の心を傷つけまいとする夫。ゆっくりに見えた行動の裏には、こまやかな心遣いがあったのです。 

今年の3月に任期を無事に終えた時、夫から、「あなたの支えがなかったら、乗り越えられなかった。ありがとう」と、何よりもうれしい言葉をもらいました。 

お互いの性格を重ねた成果

今、家の中には、穏やかで心地よい空気が流れています。4年前に分かった緑内障も、不思議なほど悪化せずに安定。担当医にも驚かれています。二人で教えを学び、お互いの性格がうまくかみ合うようになったからでしょう。和のある家庭の持つ力の大きさを、身を持って味わっています。これからも、自分の考えで突っ走ることなく、夫婦で心の歩調を合わせながら、生き方を高め合っていきます。 

和心育つ家庭に 人の運命は磨かれ
  社会に奉仕して「生きる」
          存在となってゆく
和心芽吹かせるために
  人は誰も 「教え」を家族で学び
      家庭に生かす心遣いが必要
 家族とのつながりは
 「教え」のある家庭には
  自然と会話が増えて 深まって行く
 相手の気持ちを受け止め
     我が思いを重ねて言葉を返す
 この繰り返しに 絆が生まれる

『真実の光・神示 平成30年版』144ページ