No. 1680

50年の憎しみが消えた!
湧き上がった父への感謝

(静岡県ST/70代女性/パート) 

父の賭け事や母への暴力で苦しんだ我が家。一度は離婚したものの、父は3歳だった私を連れて、母を迎えに行ったそうです。子供かわいさで戻ってくれた母。そんな母の苦労を見ては、私のせいで…と自分を責めながら育ちました。夜中にそっと家を出て、2時間歩いて祖母の家へ避難する日々。父は毎回、「もう二度としないから」と、私たちを迎えに来ました。そのたびに私は、泣くもんか、負けるもんかと、父への憎しみを募らせていったのです。 

私が高校2年生の時、両親は2度目の離婚。やがて、父が助からない病気で入院したと聞いた時は、もう煩わしい思いをしなくて済む…と安堵(あんど)したほどでした。 

父の苦しみに心が向いたら…

温かい家庭を知らずに育った私も、神の教えを知ったおかげで、夫婦の縁を深めてくることができました。さらに、薄紙を剥がすように、父への思いが変わっていったのです。ある時、勉強会で、目の前の出来事が自分を苦しめるのではない。どう受け止めるかは自分の問題…と学び、ハッとしました。末の妹は、「お父さんが大好き。かわいがってもらった」と言うからです。「許せない」とにらみ付ける私は、父にとってもかわいいはずがありませんでした。それでも父は、私が二十歳を迎えた時に会いに来てくれました。それを拒絶するなんて…。ひどいことをしてしまいました。 

「もう二度としない」。あれは父の本心だったはず。それなのに変われない自分に、父自身も苦しかっただろう。そう思えるまでに、心が変わりました。 

無意識に語っていた「大好き」

毎年、秋に迎える「神玉祭」(先祖の思いを受け継ぐ墓参の期間)。長い間、手を合わせても言葉が出ませんでした。それが、真実の光会館の光明殿から安明殿へと続く内参道が真っすぐにつながった昨年、自然と「お父さん、大好きです」と言っていたのです。驚きました。神が、心の奥底の思いを引き出してくださったと感じました。 

儀式で切なる思いを届けて

いろいろあったけれど、無駄なことは何もない。一つ一つの出来事のおかげで今の自分がいる…。過去が、私にとって意味のあるものになりました。その気持ちを父に伝えたくて、昨年、「明魂祭」(後日の葬儀)を受けました。父が亡くなって52年。儀式の中で、切なる思いを届けました。「娘らしいことを、何一つしてこなくて、ごめんなさい」「私は仕合せ。生まれてきて良かった。お父さん、ありがとう」。父への感謝が膨れ上がりました。母も、「こんないい子たちを残してくれて、悪いことばかりじゃないね」と、しみじみ言っていました。 

父母のために、一層の心磨きを

母はもうすぐ95歳。昔は、償いの気持ちで、あれもこれもと気を回してきました。それなのに好き勝手言う母に、「こんなにやってるのに…」と不満が募り、ぶつかったことも。それが今、生きていてくれるだけで感謝が込み上げ、一緒に暮らせることがありがたくてなりません。母も、「ゆったり生活させてもらっている」とうれしそう。こんな孝行ができるとは思いませんでした。 

「次に生まれてきたら、お父さんにもお母さんにも、仕合せになってほしい。また二人に会いたい」。今、そう願う自分がいます。そのためにも、心磨きを頑張ります。 

神・仏に向ける感謝の思いが 
     人間の心を「正道」へと導く
「教え」に生きるほど 
    心の迷いは消え去り
      「正道」を行く心が芽吹く
 「人生」に生きがいが持てて 
    ますます「心の道」が
         太くつながってゆく

令和6年9月23日 神玉祭〈中略あり〉

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