(佐賀県KK/70代女性/農業)
夫の介護に農作業、家事全てを一人で頑張る毎日。年を重ねるほど体が動かなくなり、睡眠もあまり取れなかったある日、運転中に居眠りをして、大事故を起こしてしまったのです。
不安な心を変えたのは…
ガードレールの向こうは崖。激突する寸前にパッと目が覚め、急ハンドル。スピンした後、ガードレールをこすって止まった車。不思議と対向車もなく、まさに、神業で九死に一生を得ました。背骨と肋骨(ろっこつ)の骨折による1カ月の入院。この程度で済んだものの、そんな状況でも、頭にあるのは「夫の介護は私しかできないのに…」「作物の出荷だって…」という思い。不安だらけの私の元に、娘と孫たちが心配して駆け付け、同居の息子は、仕事を早退して夫の所へ。そして、今後のことを話し合い、介護職に就く息子が、家族におむつの交換の仕方などを教えて、みんなで夫に関わると言ってくれたのです。
脳梗塞で寝たきりな夫は、認知症もあり、気難しい性格。最初は、家族が世話をしようとしても、全てを拒否。しかし、私が事故に遭って世話ができないことを伝え、優しく語り掛けたところ、素直に介護を受け入れてくれたそうです。あの夫が…と驚くと同時に、心から安堵(あんど)しました。知人に頼むつもりだった農作業も、今までやったことのない息子が頑張ってくれ、無事に出荷まで。「助かったよ、ありがとう」。心からお礼を言いました。
頑固でやり過ぎる性格が
頼もしい息子に、優しく思いやりのある娘と孫たち。私には頼れる家族がいる。大きな安心感の中で、入院生活を送れました。おかげで、周りから驚かれるほどの回復ぶりで退院できたのです。なのに、当てにならない息子と決め付けて、これまで頼りもしなかった私でした。“人は支え合って生きる”と神の教えで何度も学びながら、身近な家族と全然支え合えてなかった…。何でも、自分が、自分が…とやり過ぎる頑固さが、家族の良さを抑え、関わる場を奪っていたのだと大反省でした。
もっと自分から家族を頼ろう。そんな気持ちになると、何も言わなくても、不思議とみんなが応援してくれるのです。自分からも素直に頼ると、温かく関わってくれます。夜中に、夫の痰(たん)の吸引でてこずれば、息子に応援依頼。上手にやってくれるので、「さすがだね」「すごく助かった。ありがとう」と褒めると、とてもうれしそうです。最近は、私を気遣う優しい言葉を掛けてくれるようにも。娘たちも、相談すると親身になってくれ、家族と関わる機会が増えました。
絆がより一層強くなって
私の体験を知る人から言われました。「家族が結束してるんだね」「嫁いだ娘がそこまでしてくれるなんて」と。事故の時、一歩間違えれば、崖から落ちて、命を落としていたかもしれない私。痛い思いをしましたが、家族の存在に感謝が深まり、互いの絆がどんどん強くなって、この上ないものを得られたと、感謝でいっぱいです。
自分の性格のせいで苦労もし、みんなにもどれほど心配を掛けてきたか知れません。子供や孫たちには、素直な心で助け合って、仕合せな人生を歩んでほしいと願うばかり。そのためにも、自分の弱点を改めて、家族といい関わりをする。良いものを次の世代に残せるように努力していきます。
「教え」は
人生を正しく歩む
「知恵(真理)」ゆえに
心(我が人生)に返す学びが大切
家庭のあるべき姿(真理)を知ること
我が「立場」を踏まえた
触れ合いをすること
自然と
家族・縁者 友人・知人との
関わりが見えてくる
人生は 「真理」をわきまえ
その任を果たすところに
多くの人との出会いに支えられて
生きがいある日々が送れる
「道」を守る人生に
心の負担 迷いは起きない
『真実の光・神示 令和2年版』113ページ