No. 1590

先入観が取れたら
家族との本当の関わりが

(山形県HK/60代女性/主婦) 

義父母の逝去をきっかけに、夫や子供たちとの穏やかな生活が一変しました。遠方で暮らす義兄に代わって、夫が実家を引き継ぎ、二世帯住宅とはいえ、統合失調症の義妹と同居することになったのです。 

親戚の付き合いや仏事、実家の片付けも、全部私たちに…。夫は次男なのに…。地元にいるからこんなことに…。何で私が…。怒りや不満が爆発しそうな中でもやらざるを得ず、本当に苦痛でした。 

愛が薄い自分を反省

義父母の明魂祭(後日の葬儀)を受けた頃、今までになかった思いが湧いてきたのです。病気の義妹のことを、きっと義父母は気にしていただろうに…。なのに私は、自分のことしか考えられず、家族や身内に向ける愛が何と薄かったことかと反省しました。 

ただ、いくら声を掛けても、義妹とは会話にならないまま。「仕合せの基は和のある家庭」と学ぶたびに、「このままでは良くない」という思いが募っていきました。「もっと温かい愛の心で関われるようになりたい」と、夫と話していた矢先のこと。突然、義妹の左手足に不随意運動が出たのです。生活にサポートが必要となって、初めて彼女の部屋に入った時、込み上げるものがありました。「一人での生活は、どんなに大変だったのだろう」と。 

その時、ふと思い出したことが…。私は、十二指腸潰瘍(かいよう)で胃の一部を切除後、ずっと調子が悪かった時期がありました。信者なのに本当の健康を手にしていない! そう奮起して真剣に教えを学ぶうち、薬の服用をしなくてよいほど回復したのです。義妹だって絶対に元気になれる! そんな自信が湧いて、一切の義務感も不満もなく、「家族なのだから支えてあげたい」と素直に思えました。 

心が真っすぐに向くと

「病気だから、どうせ言っても…」という偏見があった私。それが、病気を理解して、普通の家族として関わりたいと、心が真っすぐに義妹へ。すると、私の言葉を素直に受け入れてくれたのです。つらそうなときは、「私たちに何でも話していいよ」と言って耳を傾けるうち、しどろもどろだった言葉が普通に出て、自分の意思や考えを話すようにもなりました。 

原因不明だった手足の不随意運動は、薬の効果もあり、7カ月ほどで回復。この間、義妹への接し方を夫と話す中で、夫婦の会話が格段に増えました。義妹には、できる範囲で、「ここをよろしくね」と協力要請。私が体調を崩したときは、夫が「何かしようか」と優しく声を掛けてくれて、みんなが互いに関わり合える家族になりつつあります。 

人との関わりが楽しく

最近、義妹は、うつろだった目がはっきりしてきて、病人とは思えないほど。私も、寝込むことがほとんどありません。 

仕事人間で、家庭にあまり興味のなかった私が、今、一番に心が向くのは家族です。自分を支えてくれる夫に感謝、温かい愛の心を育ませてくれた義妹にも感謝…。愛が持てて、先入観が取れると、目に飛び込んでくるのは、相手の良いところばかり。人との関わりが楽しい! どんな出会いも楽しめる自信がある! そう思える自分に変われたことが、うれしいです。この経験を糧として、家族との温かい関わりをもっと深めたいです。 

家庭の価値を正しくつかんだ人間は
       必ず家族に愛情を向ける
 そこに
  自然と家族の関わりが深まり
    「真理」を 家族が求め始める
――仕合せの基は 和のある家庭――
 家族の心をつなぐ愛情が
   家族の実体を高め
      「心の道」を太くしてゆく
 病におびえることもなく
       事故・災難も避けられる

(令和6年7月23日 信者心の基勉強会 家庭編『友輪』342号20ページ〈中略あり〉)