No. 1505

病をきっかけに変わった私
夫の心を感じられるように

(青森県SK/60代女性/主婦) 

「私は間違っていない」心の片隅にずっとあった思いです。そのせいか、神の教えを学んでも、自分の生き方はあまり変わらないまま。転機になったのは昨年1月。夜中にトイレに起きて、冷たい手を温めようとした時に気付いた右胸の異変。すぐに受診すると、乳がんと判明。「病を引き込む心の動きをしていたはず…」と、ようやく真剣に自分の生き方を振り返ったのです。 

自分中心の姿に気付いて 

病は、家族の問題として乗り越えるもの。教務相談で真っ先に確認したことです。私たち夫婦は会話もあるし、仲も悪くないけれど…。その時、ふと思い出したのです。以前撮った写真に、夫が私をよけるように映っていたことを…。 

神の教えに照らして見えてきたのは、夫の気持ちを考えない、自分中心の私の姿。夫が買い物をしてくれば、「こんな賞味期限ぎりぎりの物を」とつい文句。家事を手伝ってくれようとしても、「私がするからいい」。だって、夫がすると汚れが残ったままだから…。そのくせ、「私は体がつらいのに、夫は手伝ってくれない」。こんな自分を変えたいと、本気で思いました。 

どんどん見えてきた夫の良さ

すると、初めて込み上げてきた夫への感謝。体調を気遣ってくれるのも、そばにいてくれるのも、当たり前ではない。どんなときも動じない夫のおかげで、私も穏やかでいられます。夫の良さが次々見えてきました。 

「口うるさくして、ごめんね」「また言い過ぎたね」。私が謝ると、夫は「全然」と笑います。夫婦なんだから、こうして素直に心の内を話せばよかったのです。

真剣に神の教えと向き合うようになったら、何もかもガラリと変わっていきました。夫と一緒に祈願するだけで、大きな安心感が得られます。本当はマイナス思考で落ち込みやすいのに、食事もおいしく、毎晩ぐっすり。手術にも、化学療法にも、驚くほど落ち着いて臨めます。常に安定した心でいられることこそ大奇跡。楽しくないはずの治療に向き合う心が枯れません。 

増えてきた「ありがとう」

最近は、夫はどう思っているのかな…と気遣えるようになってきました。食事のメニューを決めるにも、「何食べたい?」と聞いておきながら、「それは無理」とスパッと断ってしまっていた以前とは大違い。「きょうは無理だから、このメニューでどうかな?」と相談し合えます。出掛ける予定を立てるにも、まずは夫に意見を尋ねるように。家事が完璧でないことも、あまり気にならなくなって、心からの「ありがとう」を口にする場面が増えました。 

夫が定年を迎え、夫婦でゆっくり過ごそうと思っていた矢先の病。「ごめんね」と謝る私に、「何で謝るの? 元気になれば、どこにでも行けるから」と夫。今は二人で近所を散歩し、菜の花を摘んできて、一緒に食べられることに仕合せを感じます。「僕はいつだって君のことが最優先」。そう言ってくれる夫に、精いっぱいの感謝を込めて、温かい気持ちになれる言葉を掛けていきます。

「教え」を学び
  「真理」に悟りを得て
    心(人生)に生かせる人は皆
  相手の気持ちを受け止め
     正しい関わりを深めてゆける
 仕合せを共有し
   会話の絶えない家庭の姿が
             ここにある

『真実の光・神示 平成31年・令和元年版』19ページ