(群馬県NM/50代女性/研究職)
「両親を支えたい」。その思いで始まった、20年ぶりの実家暮らし。父の入院と、それを献身的に支えた母の姿がきっかけでした。ところが、いざ一緒に住んでみると、なかなか気持ちが重なりません。父が何げなく口にする、「自分は病気だったから」というひと言にいら立つのです。「お母さんが、どんな気持ちで頑張ったと思う!?」。責める心を抑えるのに必死で、優しくなれない私…。葛藤の日々でした。
だんだんと変化した関わり
そうした心を変えたくて、何度も足を運んだ偉光会館。その中で、人生を神と生き抜きたいと、「明魂」誓願の儀を受けました。不思議と、「心を守られている」感覚に。気持ちが穏やかになって、自分の姿も見えてきました。真面目で責任感が強い分、相手にも同じ生き方を求めがち。これが葛藤を生み出していたのです。「分かって」と求める前に、まずは父の「思い」を感じてみよう。やるべきことはシンプルでした。
腰の悪い父は、外出先でも歩調がゆっくり。周りの人に迷惑を掛けたら…と思うと、「もう少し早く歩けない?」と言ったことも。でも、父の気持ちは? そう考えて、「どうしても」の時は、「ここだけは頑張って!」と励ますように。すると、足に力が入るのか、いつもより早く歩きます。自分から、家族に関心を持って触れていく。“家族の関わり”ってこういうことか! 確かな手応えを感じました。
やがて、父からも、「15日は教会に行くの?」などと尋ねてくれるように。手帳を開き、丁寧に予定を書き込む姿は、現役時代と同じです。そうやって誠実に任を全うする姿を、私は心から尊敬していたのです。時に、「全く…」と思うこともあるけれど、「やっぱり大好き」。純粋に思えることが、うれしくてたまりません。
もつれた糸がほどけるように
近頃、父は、偉光会館から帰ってくると、「運命というのはね、『命を運ぶ』って書くんだよ」。一緒に学んだ内容を、私に話してくれることも。それがどこか得意げで、思わず笑顔になってしまいます。過ぎるほど慎重な面があるのは、一家の大黒柱として責任感が強いから。気が付くと、もつれた糸がほどけるように、父の良さが見えてきました。
共に教えを学ぶ中で、父自身も、だんだんと「家族の思い」を感じてくれている様子。何げない言動から、父なりに、「母が喜ぶように…」と考えているのが分かるのです。いつかは、離れないといけない時が来るから。一緒にいられる「今」、精いっぱい親孝行したい。そうした心で過ごせる毎日が、本当に仕合せです。
家庭は
運命を磨き 実体を修正する
魂(こころ)の苗床
ゆえに
家族で教えに生きるほど
家族の運命実体(こころ)は
磨かれる
その家庭の「心の道」は
太く 強くつながり
「正道」をゆく人間が育つ
『真実の光・神示 令和5年版』48ページ