No. 1483

家庭と縁遠かった私の人生
見えてきた家族の関わり方

(兵庫県KO/60代女性/主婦) 

初めて実の母に会ったのは、5歳の時。兄や姉、祖母の存在も、その頃に知りました。児童養護施設で中学まで暮らし、卒業後は准看護学校へ。面倒を見てくれた医師夫妻が、私の「育ての親」でした。記憶にすらなかった、自分のルーツ。居場所も、人との関わり方も分からないまま、大人になっていきました。結婚しても、「家族」との向き合い方がつかめず、ついには離婚。そうした中で、神と出会ったのです。 

教えに触れると湧き上がる、「いつかは私も仕合せに…」という思い。その心に呼応するように、今の夫と出会いました。再婚後は、母とも、亡くなった父のことなど、たくさん話ができました。そんな私たちを、温かく迎えてくれた義父母。楽しい時間はあっという間でした。 

一歩ずつ、つかんだ「家庭」

やがて、それぞれの親を見送ると、家は途端に静かに…。寂しさの中で気が付きました。親の心も、人の情けも分からず、社会に出た私。自分で自分を否定し、人と関わらずにきたのです。家庭でも、夫と全く会話がありませんでした。「夫のことを何も知らない。これでは駄目」その気付きに、『友輪』(最新の神示を掲載した冊子)が弾みをつけてくれました。そうか! 支え合い、補い合うのが夫婦。まずは夫の話を聞こう。「家族」との関わり方が、明確に見えてきました。

「きょうは何があった?」と尋ねても、夫は返事をしたり、しなかったり。でも、ふっとしたひと言から、「周りを気遣う人なんだな」と伝わってきます。近所の方には、ちょっとした農機具の修理などを、よく頼まれているよう。「あなたのおかげで、こんなに頂き物が」と見せると、照れくさそうに笑ってくれました。 

少しずつ会話が増え始めたある日。夫が皮膚の薬を差し出して、「『私が塗ってあげる』と言っていたのに、最近やってくれない」と不満顔。「だって、あなたが『ふん』としか言わないから」と私。でも、そう返しながらも、「『してあげたい』と夫を思う心が欠けていたな」と気が付いたのです。それを知人に話すと、「ほほ笑ましいね」と笑っていました。「そうか、『ほほ笑ましい』夫婦になれたんだ」。うれしくて、心がじんわりと温かくなりました。 

確かな居場所を手にして

信者となって、もうすぐ40年。家族に縁のなかった私の人生は、大きく変わりました。夫と築く「家庭」が私の「居場所」と分かり、心に太い軸ができたのです。近頃では、「ぜいたくだな。私には、生みの親、育ての親、一緒に暮らした親…。恩返ししたい人がたくさんいる」と感じるようになりました。きょうだいや親戚を大切に思う心も強くなり、縁が深まっています。家族がいてくれるからこそ味わえる、喜びや感動。これからも、夫と二人で、たくさん手にしていきます。

「真理」に
  人生の支え 気付きを得て
    家族と正しく関わるなれば
 人は必ず
  人生の夢
    「生きる」意味(価値)が
             見えてくる
 「教え」に悟りを深め
    真実の愛を家族と共に育むべし
 喜び多く
  生きがいあふれた日々を歩む姿が
             ここにある

『真実の光・神示 令和4年版』33ページ(中略あり)