(茨城県TK/60代女性/主婦)
「お母さんに、この苦しみは分からない」。仕事に付いていけずに悩んでいた次男の言葉です。いつも夫婦で話を聞いて励ましていたはずが、「お母さんは聞いてくれない」。衝撃を受けたひと言でした。
求める思いが責める気持ちに
実はその頃、夫とも擦れ違いを感じていた私。「よそでは優しい人なのに、私には?」。心の底にあった思いです。だから、夫が黙って食事をしているだけで、突っ掛かる。「おいしいの? おいしくないの?」「どうして『おいしい』って言えないの? 心を込めて作っているのに」。責める気持ちになってしまうのです。
受け入れ難いけれど、これが私…。必死で神の教えを学び、「夫の気持ちを分かりたい」「余計なひと言をやめたい」と意識。そのうちに、「タイミングが悪いから後で言おう」「この言葉はカチンとしちゃうかな」などと、心にストップをかけられるようになっていったのです。
ようやく重なり始めた家族の心
ある日、周りで体調を崩す人が続出し、「お父さん、気を付けてね」と伝えました。すると、「お母さんの方が心配だよ」と夫。まさかの温かい言葉に、私への優しさを感じて、じーんとしました。そこから、夫婦の心が重なり始めたのです。時に、夫の言葉に心が揺れても、「もう少し優しく言って」と穏やかに伝えられます。夫も、「自分でも直すように努力しているんだ」と言ってくれて、めっきりけんかが減りました。
息子の“思い”にも耳を傾けるように。その上で、「自分がするべきことに、真剣に向き合っていてすごいね」などと頑張りを認め、伝えていきました。やがて次男から、「話を否定しないで聞いてくれるのが、お母さんのいいところ」と言われた時は、飛び上がるほどうれしかったです。
悩みも絆を深める一助に
家庭は、生き方を高める環境。正しい生き方を学んでいれば、何かあっても、お互いに一皮むける糧にできる。次男は、力量を超える仕事にも精いっぱい。その一方、「人の役に立つ自分の良さは…」とあらためて考え、家族でも話し合いを重ね、転職を決めたのです。最後は、何回も送別会を開いてもらい、「また戻ってきていいんだよ」と温かく送り出してもらったと聞きました。就職から4年、力を出し尽くしたからこそと、夫婦で感心しきりでした。
次男は現在、公務員となり、住民の生活を支える仕事をしています。毎日違う案件で大変なようですが、「あの4年の頑張りが自信につながった」と生き生きしています。頼もしい成長を夫婦で喜びながら、心を重ねて応援する日々。ひと山越えた仕合せを皆でかみしめています。
夫婦で「教え」を学び
二人(両親)の心が重なり
一つになるほど
我が子の心(魂)は安定し
運命の力が引き出されてゆく
家族の会話 基になるのは
それぞれが
分 立場を自覚して触れ合うこと
「道」を守る家庭に育つ
我が子の人生は
「夢」かなう
『真実の光・神示 平成30年版』183ページ(中略あり)