No. 1461

受け止められない母の病状
好転を生んだ一つの気付き

(静岡県YS/50代女性/無職) 

両親と3人暮らしの我が家。親はいつまでも元気と思っていましたが、気が付けば2人とも80代。特に母は、だんだんと体調を崩すことが増えてきました。 

しかも、半年ほど前からは、おかしなことを言い出すようになったのです。「家に泥棒がいる」と警察に電話したり、「お父さんにお世話になった」と深々と頭を下げ、夜中にそっと出ていこうとしたり…。医師からは、「脳梗塞になった痕があるので、その影響ですね。どうしようもありません」と言われてしまいました。 

毎晩、ほぼ寝ずに母のそばにいる日々。次第に母は、「あなたのことが娘だと分からない」と言い始めました。その言葉は、まるで内臓の一部をもぎ取られたような、想像をはるかに超えるほどつらく、切ないひと言でした。 

私が母に伝えていなかったこと

これまで以上に神の教えを学んで、祈願して…、いつもいつも神に心を寄せていました。そんな毎日の中で、母が私によく言う言葉がありました。「偉そうに! あんたの言ってることは聞かない!」。その言葉の意味を、初めて深く考えたのです。 

母が怒るのは、決まって私が「この薬飲んで」「目薬はこれ」などと言った時。随分上から目線だったと思います。でも、私の本心は「母に元気になってほしい」のです。「薬を飲んで、少しでも楽になってほしい」のです。そうした“娘としての思い”を、穏やかに伝えていこうと思いました。

すると、不思議なことに少しずつ、母の言動が落ち着いたのです。以前は、「効かない薬を飲ませて!」と怒っていたのに、一切言わなくなり、父ととても仲良くしています。どうやら父も、毎日教会図書を読む中で気付いたことがあったようで、「お母さんがいてくれたから、棟梁(とうりょう)の仕事をやってこられた。お母さんのおかげなんだよ」と、母に言っていました。いつの間にか父の目は優しくなっていて、母も昔と同じ、穏やかで優しい顔をしていました。 

味わった仕合せを「語る」決意

その頃からでしょうか。悪くなる一方だった母の体調が良くなってきたのです。大量に飲んでいた薬は最低限の量まで減り、歩くのがやっとだったのに、家の中をつえで歩けるように。食欲も旺盛で、「内科では悪い所はどこにもない」と。何よりうれしかったのは、私が「娘」であると思い出してくれたことです! 

私の名前を呼んで、「いつも家事をしてくれてありがとう」と言われた時は、涙があふれそうになりました。今では毎日、朝に夕に、親子3人で神にご挨拶。この、胸いっぱいに込み上げてくる仕合せを、自分たちだけのものにしたら申し訳ない。私が体験した奇跡を、縁ある人に語っていこう。今、心からそう思っています。

神の教えを学び
  「教え」を通して
    我が「心」を見詰めるのである
 我が「家」の会話が深まり 広がり
  我が「家族」の心がつながってゆく
 我が家に神の教えを生かして
     「和心」芽吹く家を築くべし
 この思い(願い)深まるほどに
   人の「心(魂)」は安定してゆく

『真実の光・神示 平成22年版』14ページ(中略あり)