No. 1022

名ばかりの夫婦が本物に
夫と笑い合える仕合せ
(大分県KM/70代女性/調理師)

夫は夫、私は私…の人生でした。夫とは再婚同士。次こそ、仕合せな家庭を築きたいと思って一緒になったのに、夫の言動を受け止められずにまた離婚。17年前に復縁したものの、その後も、決して心の通い合う夫婦とは言えませんでした。

芽生えた「妻として生きる心」

もう別れようと考えていた矢先、夫のがんが判明しました。どうすればよいのか分からず、神の館へ。気付いたのは、「夫が病気ならなおのこと、妻には妻としての役割がある」ということでした。

売り言葉に買い言葉が日常茶飯事の私たち。料理を出して、「辛い!」と言われたら、「それなら自分で作ってみれば!」と言い返す。私には愛がなかった…。共に人生を歩みたいと願っていたのに、自分の気持ちを優先し、相手を思いやってこなかった…。妻として寄り添う気持ちも、支える思いもなかったのです。

「生まれ変わったつもりで、夫に愛をかけたい。優しくなりたい」と思っていたある日のこと。夫の背中を見て、「ああ、年を取ったな。寂しそう」としみじみ感じたのです。「いつもけんか腰で逆らい、責めて、こんな姿にさせてしまった…。私が悪いんや」。思わず涙がこぼれました。

互いを思いやれる間柄へ

「至らないところだらけで、ごめんね。これからは、あなたと2人で笑って生きたい」。思い切って告げると、真っ赤な目を隠すように横を向き、鼻を拭いていた夫。病をきっかけに、私たちは、ようやく「夫婦」として歩み始めることができました。

手術も無事成功。今も、「穏やかな心」「愛心、愛語」と壁に張り、教えの実践に取り組む毎日です。荒い気性が治まり、「夫の気持ちは…」と、当たり前に考えられるようになりました。

夫も変わりました。料理の味が好みでなくても、「少し辛いかな」と言い方が全然違います。「そろそろ寝ないかい?」「エアコンつけとくか?」など、何かと気遣ってくれて、まるで別人。私の誕生日には、「大根おろしをすったから食べろ」と言うのです。うれしくて、一口一口味わって食べました。以前はお礼すら言えなかった意固地な私が、「お父さん、ありがとう。おいしかったよ」と言うと、夫はほほ笑んでくれました。「おまえは、体は大きいけど弱いから。大根おろしは体にいいんだ」と。朝から心はホカホカ。こんな仕合せを味わえる日がくるなんて、夢のようです。

今、少し前まであり得なかった笑い声が、家の中に響いています。いつか「おまえと結婚して良かった」と言ってもらえるように…。妻としての仕合せをかみしめながら、心磨きにいそしんでいます。

真理を知って 今こそ心正しい信者の道(人生)を歩めよ
 歩むほどに 和心育つ我が家(家庭)が 神の手の中育まれてゆく
 「魂」安らぐ家庭の姿が ここにある
 有限の「人生」 その意味(価値)を二人で味わい
    思いを残さぬように 会話を楽しむ我(二人)であれ
 この一言心に留めて 時(人生)を刻むほど 「心の道」に縁を深めてゆく

真理を知って
  今こそ心正しい信者の道(人生)を
               歩めよ
 歩むほどに
    和心育つ我が家(家庭)が
       神の手の中育まれてゆく
 「魂」安らぐ家庭の姿が ここにある
 有限の「人生」 
  その意味(価値)を二人で味わい
   思いを残さぬように
    会話を楽しむ我(二人)であれ
 この一言心に留めて
       時(人生)を刻むほど
     「心の道」に縁を深めてゆく

『真実の光・神示 平成26年版』109ページ