No. 970

“孤独色”から救われた…
生き別れた母と私の人生
(北海道IY/50代女性/主婦)

4歳の時、両親が離婚。みんな一緒がいい…。本心を伝えられぬまま、父に引き取られました。砂山のてっぺんにストローを立て、「お母さんに会えますように」と幼心にお願いしたものです。30年後、母の居場所が分かり、祈願しながら手紙を出すと、すぐ電話をくれました。

不満が募っていた心が一変

うれしさもつかの間、電話の母は、自分の話ばかり。「散々寂しい思いをさせてきたんだから、もっと私の話を聞いてほしい」と募る不満…。でも、夫のひと言で、あることに気付きました。「話を聞かないのは君も同じ」。母と私は似た者親子…、そう思ったら、「聞いて聞いて」だった気持ちが、「まず聞こう」に変わりました。

母は、人付き合いが得意で、友人も多いです。「あなたも、人にどんどん声掛けなさいよ」と言われ、自慢話みたいで嫌でした。でも、そこに私を思う「愛」を感じるようになったのです。誰にでも気さくに接する母を、尊敬する気持ちまで出てきました。

母娘で味わった仕合せ

ある時、母に「生んでくれてありがとう」と伝えました。これまでも伝えたことはありましたが、初めて心から言えたのです。母は、「あんた穏やかになったね。私も教会に入りたくなっちゃった」と言い、今年、信者になりました。

母は、周りの人から「娘が毎日電話をかけてくれるなんて、うらやましい」と言われたそうです。「家にピーマンがあるんだ」「塩昆布であえればおいしいよ」こんなささいなやりとりが、楽しくて仕方なかった…。うつっぽいところがある私が、母と話すと元気になって、宝の時間でした。

半年ほど前、母に病気が見つかりました。定期検診を受けた日、たまたま具合が悪く、医師がしっかり診察してくださったのです。落ち込むかと思いきや、「神が守ってくださった」と言い切り、とてもうれしそうでした。入院中も、みんなが食べ残してしまう病院食を完食し、栄養士さんにレシピまで聞いて、喜ばれていたそうです。お医者さんからは、「痛みを我慢してしまう患者さんがいたら、私に教えてくれるんですよ」と感謝されたほどです。

悔いを残さない生き方の先に…

口癖のように「私、今が一番仕合せ」と言う母。ところがある日、口げんかしてしまいました。「ごめん、言い過ぎた」と、即謝ると、母は、「そうやって、何でも言い合える親子になれてうれしい」と言いました。「母もずっと寂しかったんだな」母の心の奥底が見えた瞬間でした。

3日後、母は旅立ちました。玉納奉寿で送った母は、安心しきった大満足の笑顔。信者としての月日は短くても、神は、目いっぱいお守りくださいました。もし、神に出会わなければ、母も私も後悔だらけで、孤独色の人生だったと思います。

生前、母は「神の教えに『家族』とたくさん出てくるのが気に入っている」と言い、私と親族の縁が深まるように動いてくれました。母がつないでくれた縁が今、広がっています。「出会いを大事にするんだよ」いつまでも、母の言葉を大切に生きていきたいです。

「信者の道」を歩むところに
    人は誰も和心芽吹き始めて 「仕合せ」引き出す家を手にできる
 神の教え「真理」を学び深めるほどに 「道の真理」が我が家の心を明るくする
 夫婦仲良く 会話を楽しみ 親子は寄り添い 思いをつなぐ
 時流れ 世代を超えて 我が家の姿(人生) 心の道に受け継がれてゆく
――仕合せの基は 和のある家庭――
    真理に生きる家(存在)の姿と申す

「信者の道」を歩むところに
  人は誰も和心芽吹き始めて
    「仕合せ」引き出す家を
            手にできる
 神の教え「真理」を学び深めるほどに
    「道の真理」が
      我が家の心を明るくする
 夫婦仲良く 会話を楽しみ
    親子は寄り添い 思いをつなぐ
 時流れ 世代を超えて
    我が家の姿(人生)
      心の道に受け継がれてゆく
――仕合せの基は 和のある家庭――
  真理に生きる家の姿(存在)と申す

『真実の光・神示 平成21年版』108ページ