毎週のように息子と偉光会館で学び、周りから見れば「仲良し親子」。本当はずっと悩んでいました。息子が本心を言わないのです。「本音で会話したいけど、何でできないのかな?」と、無神経に聞いたこともあります。答えは「分からない」でした。
いつしか同じ道をたどって
ある時、神示集を読んでいて、引き付けられた神示がありました。「過去を引きずり、先を案じる『心の動き』、愚かなことと気付くべし」。まさに私のことです。
息子がそうであるように、私もまた、親に本音が言えない子でした。父親が厳格だった分、息子にだけは同じ思いをさせたくなかった…。でも、夫と離婚し、女手一つで育てる中で、「父親がいないからと、後ろ指をさされてはいけない。甘やかすまい」と、勘違いして、褒めずに厳しく接してしまったのです。ついに息子に言われた、「おじいちゃんも怖いけど、お母さんも怖い」。戻れない過去を引きずり、何回も何回も自分を責めました。
流れていく親への思い
神示には続きがありました。「我が運命も、我が実体も、我の宝と悟り、受け入れてごらん。自然と心軽くなって、『今』に心が向くのである」。
父が許せない。その心を「今」正さなければ、仕合せになれない。神示が背中を押してくれました。私が息子の仕合せを願って一生懸命生きているように、親もそう生きてきてくれたと気付き、父の人生そのものが、宝物のように思えてきたのです。
父は今、施設にいますが、見舞った時に看護師さんが、「お父さんも、あなたも、息子さんも、皆さん話し方が穏やかですね」と声を掛けてくれました。私は、父からちゃんと良いところをもらい、それが息子にも確実につながっている…。大きな感謝が込み上げてきました。
消えていく親子の間の壁
施設から帰るとき、父に笑顔で「また来るね」と言えて、どうすればもっと喜ぶかな…と考える私がいます。昔を知る友人は「縁を切りたがっていたのに、信じられない」と言い、自分でもそう思います。
父との壁が消え、そして、いつの間にか消えていた子供との壁…。息子の仕事がなかなか決まらず、心をかけてきましたが、本人から「つらいんだ」と本音を打ち明けてくれたのです。しばらくして、「元気になった」と笑いながら、「昔からお母さんは、つらいときに『大丈夫、大丈夫』って励ましてくれたね。それで明るくなれてたって気が付いた。ありがとうね」と言ってくれました。本当に思いがけないことで、涙ぐんでしまいました。
偉光会館からの帰り道、息子が「就活、頑張りたいんだ。履歴書を書くから、アドバイスくれない?」と話し掛けてきました。「もちろん!」。息子から頼ってくれたことと、前向きな心がうれしかったです。教えのある家庭に近づいた手応えがある今年。仕合せだなあと、しみじみ感じます。
――「今」に心使って生きるべし――
人生は 一日一日重ね つづら折れて成るものゆえに
「今」を受け入れずして 過去も 未来も生かされないのである
過去を引きずり 先を案じる「心の動き」 愚かなことと気付くべし
我が運命も 我が実体も 我の宝と悟り 受け入れてごらん
自然と心軽くなって 「今」に心が向くのである
――「今」に心使って生きるべし――
人生は 一日一日重ね
つづら折れて成るものゆえに
「今」を受け入れずして
過去も
未来も生かされないのである
過去を引きずり
先を案じる「心の動き」
愚かなことと気付くべし
我が運命も 我が実体も
我の宝と悟り 受け入れてごらん
自然と心軽くなって
「今」に心が向くのである
『真実の光・神示 平成16年版』96ページ