No. 133

介護を通してがらっと変わった自分

(岩手県KO/70代女性/主婦)

夫が脳梗塞の後遺症で半身不随になり、寝ていることが多くなってしまいました。トイレに行く意欲すらもなくした夫の世話は大変で、感情をぶつけてしまうこともありました。

デイサービスの合間を縫っては教会で学び、穏やかな心で夫の介護ができるように神に願いました。何度も繰り返し学ぶほど、人に甘えるのが苦手で、何でも一人で動き、抱え込んでいた自分に気付いたのです。

そこで、夫に「トイレだけでも行けるように、一緒に頑張ってみよう」と伝えました。すると、私の思いを受け止めてくれ、毎日努力するように…。今は、支えがあれば自分で行けるまでに回復しました。本当に驚きです。

ちょうどその頃、息子が体調を崩し、心配した夫は「教会に行きたい」と言い始めました。これを機に、夫婦で毎月勉強会に出席するようになりました。今は、息子に「お父さん、顔色がいいね。お母さんよりいいんじゃないの」と言われるほど元気になっています。

昨年は、夫の長寿の祝いの儀式を受けました。夫は、言葉はうまく話せませんが、涙を流しながら、体全体で感謝を表してくれて、うれしかったです。

私自身も、夫の介護を通して、家族への接し方ががらっと変わりました。以前は「どうせ言っても無理」という気持ちでしたが、今は「言うだけ言ってみよう」と思いを伝えられます。それ以上は相手にお任せで、求めません。子供たちに生活のことなどを素直に頼れるようにもなり、気持ちが楽になりました。夫とはいつも冗談を言い合えて、毎日が楽しいです。こんな自分になれたことに感謝でいっぱいです。