No. 130

見えない心が人の心を動かす

(宮崎県HA/50代男性/公共事業担当)

私は、農地・農業用施設の整備など、公共事業を担当する所属の課長という立場にあります。世の中は人口減少の過程にありますが、地方の減少スピードは著しく、どこでも人手不足の問題が立ちはだかります。公共工事のための入札を実施しても、「参加者なし」の状況が頻繁に発生しているのが現状です。それでも、我々職員は、整備を待っている地元の期待に応えなくてはいけません。

ありがたいことに、最も工事の多いうちの課では、参加者なしとなることがほとんどなく、他の所属からは不思議がられていました。そんなある日、建設関係の役員と話した時のことです。「お宅の職場は、我々が足を運んだとき、課長がいつも椅子を勧めて、コミュニケーションを図ってくれる。他ではないこと。職員の対応も良く、遅くまで職場に明かりがついているのも知っている。仲間内では、課長の所で入札公告があれば、誰かが参加して何とかしようという話になっている」と言ってくださったのです。

以前、神の教えを通して「誠実が一番」と学んだとおり、人の心は、損得だけで動くわけではなく、見えない心のありようがそれを上回るのだと思いました。神が、仕事の真理について、「神が与えし『心(運命)』を世に奉仕する」とお教えくださるように、仕事は人との関わりなくしてはあり得ないこと。人との出会いを大切にすること。どのような現場でも、働いてくれる人がいるからこそ、物が出来上がること。あらためて、日頃の心遣いの大切さ、心の動きの全てが我が身、我が職場に返ってくることに気付かされました。