No. 676

心一つになった家族の力
困難にも明るく向き合って
(兵庫県TI/40代男性)

「お父さんが脳梗塞で倒れた。重い障害が残るって…」母からの突然の電話でした。

もらった恩を返す番

病院に向かう道中、父と過ごしたことを思い出していました。近所の人を喜ばせたいと汗だくで花を世話する姿。私が入院した時に、必死に励まし、手術後は「よかったな」と顔をくしゃくしゃにして泣いていたこと。長年実家を離れ、会うのは年2回ほどでしたが、今の自分がいるのは、父がいてくれたからとしみじみ思いました。

返しきれていないたくさんの恩。今度は、私が返す番です。「今こそ、できることを惜しみなくさせていただきたい」と、心から神に願いました。

「お父さんのためにできることは…」と考えていたら、ふと、家族が心を通い合わせるところに、本当の健康が得られるという神の教えが心に浮かんだのです。父に思いを伝えよう、そう決めました。

言葉が出なくなってしまった父に、心を込めて「ありがとう」を伝えました。「一緒に行った公園、楽しかったよ」「昔、見舞いに来てくれたこと、忘れないよ」「僕にとってお父さんは、他に代わりのいない大切な存在。元気でいてください」。じっと私を見詰めていた父の目に涙がたまり、動かないはずの右手を振り始めました。「ありがとう。リハビリ頑張るから、お前も頑張るんだぞ」という声が聞こえてくるようでした。

家族の絆がますます深く

コロナ禍で思うように面会できない時期も、実家に連絡しては、母から父の様子を聞きました。家族で関わりを深める大切さを知らなければ、「この先、どうなってしまうんだろう」と、不安や迷いで気持ちがいっぱいになっていたはずです。揺れ動く心を導いてくれたのは、どんなときも神の教えでした。

神示をリビングに張って、毎日毎日読みました。読むと気持ちが落ち着いて、心にゆとりが生まれるのです。母が不安そうなときも、「焦らずにゆったり向き合おうよ」「みんなで支え合えば、きっと大丈夫」と自信を持って伝えられました。父の病をきっかけに家族の絆がますます深まり、「ありがとう」「大丈夫?」「無理しないで」など、互いを思いやる言葉が増えました。

離れていても通じ合う心

先日、ようやく病院で、オンライン面会ができました。少しでも父を元気づけたくて、母や弟と相談し、みんなで童謡をプレゼント。私たちの気持ちが伝わるのか、父は相好を崩し、わずかに動く右手を一生懸命に振って拍子を取っていました。「離れていても、心は通じ合えている」「障害はあっても、父の心は健康そのもの」と、安心できた瞬間でした。

母も弟も、「家族で話していると落ち着くね。優しい気持ちになれるよ」「いろんなことが起こるけど、うちの家族っていい家族だよね」と言います。私も、少し会話するだけで気持ちが明るくなり、心がいつも温かいもので満たされます。

困難に直面しても、家族が教えを軸に一つになれば、不思議とうまく事が運んでいく。神と生きるその価値を、多くの人に知っていただきたいと願っています。

神示で確認 「喜び」の仕組み

――家族の心(運命)が重なるほど
    家族一人一人の人生(実体)は 大きく守られ 仕合せの輪が広がってゆく――
家族の心(運命)を重ねるために
    家族一人一人が「教え」を学び 「教え」に生きる努力をする
 自然と 家庭に会話が生まれ 心休まる家(家庭)と生(な)ってゆく

『真実の光・神示 平成30年版』106ページ(中略あり)

神示で確認 「喜び」の仕組み

――家族の心(運命)が重なるほど
   家族一人一人の人生(実体)は
      大きく守られ
    仕合せの輪が広がってゆく――
家族の心(運命)を重ねるために
  家族一人一人が「教え」を学び
    「教え」に生きる努力をする
 自然と 家庭に会話が生まれ
    心休まる家(家庭)と
      生(な)ってゆく

『真実の光・神示 平成30年版』106ページ(中略あり)