No. 552

バラバラだった家族の心
闘病生活で深まる絆
(横浜市TK/30代女性/団体職員)

私たち家族は、良く言えばマイペース。悪く言えばバラバラでした。退職した父は、家で好きな本を読むなど、悠々自適の生活で、二人の弟は勉強に没頭。私自身も、仕事や趣味が優先の毎日。母は、そんな私たちを一手に支えてくれていました。

よみがえるお母ちゃんの愛

母の体はとっくに限界を超えていました。3月に体調を崩して即入院。家族だけが医師に呼ばれ、こう言われたのです。「胆管がんのステージⅣ。治療法は緩和ケアのみです」。頭を殴られたような衝撃でした。

毎晩、家族会議が開かれました。でも、持論のぶつけ合いなのです。セカンドオピニオンを受けるべき。がんセンターに行くべき…と。医師との話し合いでは、さらに白熱し、先生に「もうやめましょう」と、中断させられたほどでした。苦しくて、つらくて、必死に祈願しました。

いろいろな母の姿を思い返しました。昔は私たち三人の洋服を作って、髪をおかっぱにカットしてくれたこと。食事は三食手作りで、お弁当にも冷凍食品は一度も入っていなかったこと。器用で、マメで、愛深いお母ちゃん。その母を大切に思う心はみんな同じで、表現の仕方が少し違うだけ。そう思ったら、心がふっと軽くなりました。

ぶつかり合う家族の心をつなぐ

入院中の母に、「みんなお母ちゃんのこと思ってるよ」と伝え、庭に咲いた花の写真をLINEで送ったりして、励ましました。そして、ある日の家族会議。私は、全員の話を聞いてから言いました。「今の先生と信頼関係を築きながら、治療を進めたい。それがお母ちゃんの望みだから」と。

重ねて母からも、家族宛てのLINEが届きました。「いろいろ考えてくれてありがとう。神の教えのとおり、みんなで和を持って暮らすことが、お母ちゃんの願いです。よろしくお願いします」。母の思いを尊重しようと、家族の意見がまとまりました。

母同席の下、医師と治療方針を決める場が設けられました。先生は、家族一人一人の思いを聞いてくださり、みんなの心の重なりに「何とか救ってあげたい」と、前のめりになってくださったのです。「体調もいいようなので…」と、その場で退院の許可まで下り、まさかのうれしい展開でした。

優しさに包まれた我が家

「大丈夫か?」「お母ちゃん痛くない?」「よろしく頼むな」今、家の中では、思いやりあふれる言葉が飛び交っています。父は、母のそばで本を読み、添い寝をし、一緒に配信授業で学んでいます。家族に頼ることなどなかった母が、父に手を引かれながら歩いていて、仲むつまじい姿に心が温かくなるのです。

料理の担当は私と弟。母は、体を横にしながらも、味付けを教えてくれます。「お母ちゃん監修のご飯」が食卓に並ぶ毎日です。後片付けをしていると、父が「参上!」と言わんばかりに飛んできて、手伝ってくれます。それも仕合せな時間です。弟たちも、母の好物を買ってくるなど、家族の優しさが我が家を包んでいます。

バラバラだった私たちが、母の病を機にやっと一つになれました。それどころか、一日一日絆が深まっています。大好きな母を、家族みんなで支えていきたいです。

母より

夫は仕事人間で、私はほとんどのことを自分でしてきました。でも、今、そばにはいつも夫がいてくれます。どこに行くにも、私の手を引いて、歩調を合わせて「大丈夫か」と気遣ってくれます。家事全般は、子供たちも担ってくれ、頼もしいです。

自分が夫を頼ってこなかったのに、病にならなければ、「何もしてくれない」と、不満を抱えたままの人生だったと思います。神が、夫の優しさと、家族のありがたさに気付かせてくださいました。もっともっと神に心を寄せ、家族の愛に精いっぱい応えていきます。

神示で確認 「喜び」の仕組み

和心育つ家庭を求めて 「真理」に生きてごらん
 自然と 家族の心は 寄り添い 重なり合って 支えて「生きる」心が育ってゆく
 家族の触れ合いを通し 心の不安 迷いは治まるのである
神に思いを預け 日々「真理」に生きる心が強くなるほど
    心の動きは安定し 「生きる」希望が持てる
 安定した心に 「運命」の力が引き出されてゆくのである

『真実の光・神示 平成25年版』89ページ(中略あり)

神示で確認 「喜び」の仕組み

和心育つ家庭を求めて
    「真理」に生きてごらん
 自然と 家族の心は
  寄り添い 重なり合って
   支えて「生きる」心が育ってゆく
 家族の触れ合いを通し
  心の不安 迷いは治まるのである
神に思いを預け
  日々「真理」に生きる心が
    強くなるほど
      心の動きは安定し
       「生きる」希望が持てる
 安定した心に
  「運命」の力が引き出されて
    ゆくのである

『真実の光・神示 平成25年版』89ページ(中略あり)