(京都府YY/70代女性/主婦)
最期が近づいていました。「早く一緒に家に帰ろう」と話し掛けた私に、夫は、「そやな。お前が背負って帰ってくれるか」と答え、静かに息を引き取りました。「ああ、逝ってしまった」と、途端につらさでいっぱいになりました。それでも、神のおかげでこんなに穏やかに終えられたのだと思い、娘たちと話し合って教会葬儀で夫を送ることにしたのです。
教会をよく知らずに心配していた次女も、儀式の中で、神と歩んだ夫の人生を語る伝導師の言葉を聞き、さまざまな思いがあふれたようです。横並びに座っていた婿と孫の三人で一つのタオルを回しながら、こぼれる涙を拭っていました。故人への挨拶では、「昔、お母さんとよくぶつかった私を、『しょうがないな、お父さんに話してごらん』と言って頬擦りしてくれました。ひげがチクチクしたのを覚えています。これからは、お母さんと仲良くするから安心してね」と語っていました。それを聞いて、「夫が私たちをつないでくれている。本当に一緒に家に帰ってきたんだ」と思えたのです。これからも、夫の存在を胸に家族で歩んでいこう、そう心に誓った教会葬儀でした。