No. 525

血のつながりはなくても
心が通い合う本物の親子に
(福岡県FM/70代女性/無職)

突然のがん宣告。手術を勧められ、谷底に突き落とされたような衝撃でした。

医師に「家族に相談を」と言われ、「無理です」と即答しました。生後すぐ養女に出された私は、養父母亡き後、家族と呼べる人はいませんでした。やがて、成人した二人の娘がいる人と出会い、結婚。でも、夫が亡くなると、娘たちと疎遠になっていきました。「一人静かに終日を迎えたい。誰にも迷惑を掛けずに済む」と思ったのです。

娘たちの予想外のうれしい反応

一方で、「本当にそれでいいの?」と自問自答する毎日。教務相談で「血のつながりはなくても、縁があって出会った家族。その絆を、自ら断ち切ってはいけない」と言われ、我に返ったのです。命も、家族の縁も大切にしていなかった自分に気付き、「勇気を出して、娘たちに相談してみよう」という心になりました。

早速、次女に電話をかけると、「一緒に病院に行く!」と言ってくれたのです。予想もしなかった反応に、胸がいっぱいになりました。医師の説明も、私より娘の方が真剣に聞いてくれ、頼もしくて、ありがたくて、「手術をして早く元気になりたい!」と、すっかり前向きになっていました。

さらに、「お姉さんも心配してた」と、これまた思いも寄らぬことを言うのです。すぐに長女に連絡すると、「頑張って!」と。長年の心の距離が、あっという間に埋まっていくのを感じました。娘たちとの間に、厚い壁をつくっていたのは私だったのです。

迎えた手術当日、ストレッチャーに乗った私に「待ってるね!」と、手を握ってくれた次女。「生きたい」という強い思いが込み上げました。8時間に及ぶ大手術も無事成功。コロナ禍で面会はできませんでしたが、娘たちからは、「体調はどう?」「経過が順調でよかった」「頑張ったね」などと、たくさんのメールが届きました。その言葉に生きる気力がますます湧いて、回復もあっという間でした。

愛の心で深めていく絆

退院後も、何かにつけ連絡を取り合っています。疎遠だった日々がうそのようです。孫の近況など、たわいない話をするひとときが、楽しみで仕方ありません。私を家族の一員として支えてくれている…、二人の娘の愛がひしひしと伝わってきて、感謝といとおしさが込み上げます。

人は家族の中で生まれ、家族の中で人生を閉じる。長年「自分は一人」と思って生きてきましたが、その間違いに気付かされた時、いつも心の奥深くにあった不安が、きれいさっぱり消えていたのです。

私も、家族の愛に甘えてばかりではいけません。娘たちに負けない愛の心で、絆をもっと深めていきます。「神の教えに重なった良い生き方を残す」これが、娘たちにしてやれることと思っています。

神示で確認 「喜び」の仕組み

「教え」を学び 「心(人生)」に生かしてごらん
 心は明るく晴れ上がり 全てのこと(真実)を受け止め 「生きる」人と成る
人間が今こそ気付くべき真の健康は
    全ての出会いを受け止め 感謝して「人生」歩む心を手にした 人の姿にある

『真実の光・神示 平成28年版』14ページ

神示で確認 「喜び」の仕組み

「教え」を学び
  「心(人生)」に
    生かしてごらん
 心は明るく晴れ上がり
  全てのこと(真実)を受け止め
    「生きる」人と成る
人間が今こそ気付くべき真の健康は
  全ての出会いを受け止め
    感謝して
      「人生」歩む心を手にした
        人の姿にある

『真実の光・神示 平成28年版』14ページ