No. 426

神との出会いは「心の宝」
コロナ禍にのまれない自分
(横浜市MA/50代女性/学校司書)

2年前、両足を人工股関節にする手術をしました。「両親がくれたこの体を大切に、人のために生きていきたい」と、この時ほど、強く思ったことはありません。以来、その気持ちを軸に据えて生きてきました。

どんよりした空気を変える!

私の仕事は小学校の司書、いわゆる「図書室の先生」です。昨年の4月に異動になりましたが、世間はコロナ禍のまっただ中。先の見えない不安で、学校中に重苦しい空気が漂っていました。

学校司書の仕事の一つに、「ブックトーク」があります。「命」「友達」などのテーマに合わせて、複数の本を関連づけながら紹介する仕事です。子供たちに読書に親しんでもらうのが狙いですが、コロナで友達とのおしゃべりさえままならない状況下だからこそ、「みんなの心を明るくしたい」と神に願い、臨みました。

すると、どんよりしていた子供たちの目がキラキラと輝き始めたのです。同席していた先生から、「いつも人の話を聞かない子も、身を乗り出して聞いていたので驚きました」と言われ、相手を思って尽くす心は、確実に伝わることを実感しました。

行き詰まった心を立て直す方法

ブックトークは、児童を楽しませることだけが目的ではありません。日頃の授業への理解を深めさせる狙いもあるため、先生方の意図をくみ取りながら本を選び、シナリオを作るのは、試行錯誤の連続です。そんなとき、心の支えにしているものがあります。「我が運命の力を、相手が輝くように奉仕する」という神示です。

学校司書の仕事は、縁の下の力持ちのようなもの。「私のブックトークが、先生方のお役に立つように」「大切にしてほしいことが、本を通して子供たちに伝わるように」などという祈願が欠かせません。心を込めて語り掛け、先生方から、「ブックトークがストンと心に落ちました。おかげで明日から良い授業ができそう」などと言われた時は、学校司書冥利に尽きます。

「支えられている」感謝が原動力

最近も、うれしいことがありました。校長をはじめ、先生方に「児童だけでなく、私たちもあなたに励まされているんですよ。この学校に来てくれて感謝です」「先生がいるだけで、部屋がパッと明るくなります」などと声を掛けていただいたのです。

その言葉に胸がいっぱいになると同時に、あらためて皆さんへの感謝が込み上げました。足が悪い私を気遣い、重い物を持ってくださる先生方、毎日たくさんの笑顔をくれる子供たち…。支えられているのは私の方だからです。その感謝があるから、私も頑張る力が湧いてくるのです。

神の教えがなければ、こんな日々を送ることはできなかったでしょう。神と出会えたことは、どんな財産にも勝る心の宝です。長い間「小さな存在」とばかり思っていた自分。しかし、今は、頂いた命を最後の最後まで人のために役立たせて、「大きな存在」になりたい。心からそう思います。