母は、私が小6の時に離婚しました。昼も夜も働く母と、妹たちの面倒を見るのが大変な私は、いがみ合うように。「お母さんに私の気持ち分かる?」と聞くと、「あんたに私のつらい気持ちが分かるんか?」と言い返されました。つら過ぎて、お互いを思いやれなかったのです。そんな私も離婚を経験し、再婚した夫ともよくぶつかる毎日でした。
教えの実践で大きな救いが
私は、28年前に母と一緒に信者籍を置きましたが、長い間、真剣に学んでいませんでした。ことしの夏、母から、「せきが出て、眠れない」と連絡がありました。病院では、「小細胞肺がんのステージⅣ」との診断。母と私は、「助けてほしい」その一心で教会に駆け込みました。
そこで初めて、家族が一丸となって病に向き合う大切さを知ったのです。「親子で歩み寄る。家族が変わる絶好の機会と思って取り組むこと」と教わり、希望が持てて、心に芯が通った思いでした。
「素直になろう」「家族を大事にしよう」私と母の心は決まりました。夫や子供にも同じことを伝えると、「分かった」と言ってくれて、本当に心強かったです。その後、母は入院。まず私が変わらなければと思い、温かい言葉と態度を心掛けました。
そして、家族中が教会図書やメルマガで教えを学び、夫は信者籍はありませんが、神の館に一緒に通い、母も病室で一生懸命図書を読んでいました。治療は思った以上の効果が出て、一時退院もできたのです。
本物の親子になれた実感
次の入院まで我が家で過ごす母と、山のように話ができました。それまで打ち明けられなかった寂しさ、感謝の思い…。母は「ごめんね」と私の涙を拭ってくれました。全てを語り合えて、ようやく本当の親子になれた気がしました。
母は、「去年あなたからもらったこの靴下も、襟巻きもあったかい。私を思って選んでくれたんやな。去年は分からんかったけど、今は一つ一つの意味も、いろんな気持ちも見えるようになった」と言ってくれました。最近は、せきも出なくなり、ご飯もおいしいと感じているようです。
長年の夢がかなった私
家族も変わりました。娘は私にいろんなことを話してくれるようになりました。長男もそんな妹の相談に乗り、アドバイスすることもあって、ほほ笑ましい光景です。
無言でご飯を食べて、さーっと部屋へ戻っていた家族が、わいわい食べて、そのまま一家だんらんに。気付くと、いつも居間に皆が集まっています。これが、私の夢でした。
夫に、「この仕合せは神が下さったもの。二人で我が家を守りたい」と伝え、このたび、夫も信者として歩み始めることができました。私たち一家を救ってくださった神に、感謝を忘れずに生きていくことを誓います。