No. 399

自分の力を何に使う?
明暗を分けていた答え
(千葉県TA/60代男性/調理師)

調理師になって30年以上。この年になって、ようやく「人の役に立てる喜び」を感じる毎日です。

認めてくれない…不満ばかり

これまでの私は、職場の人間関係や労働環境面での不満が絶えず、心が晴れる日はありませんでした。50代でリストラに遭い、その後は飲食店で働き始めましたが、体調を崩すことが増え、何度も手術を繰り返すように…。体の限界を感じ、妻に相談して、60歳で退職しました。

欲の塊だった自分に気付いて

退職後、神の館に足を運び、勉強会に出席すると、一つ一つの教えが心に染みました。

最初に見えてきたのは、「こんなに頑張っているのに、誰も認めてくれない」と、承認欲求の塊だった自分です。でも、職場の人たちとの縁を深めることをせず、自己主張ばかり…。家でも妻の言うことにすら、聞く耳を持っていませんでした。そもそも自分が、人から認められる生き方をしていなかったのです。

仕事とは、「人の役に立とう」という心で、できることに精いっぱい取り組むこと。私には、「相手を思う心」が欠けていました。神の教えから気付きが深まるにつれて、「もう一度、自分の力を生かしたい」という思いが募り、就職活動を始めました。

本当の生きがいを味わう日々

ある日、新聞の求人欄を見て、面接を申し込むと、とんとん拍子に老人ホームの調理場に採用が決まりました。

今までと同じ調理の仕事ですが、気持ちが全然違います。入居者一人一人に思いが向いて、「こんな物を作ったら、喜んでもらえるだろうか」「どうすれば、おいしく楽しく食べてくれるかな」と、わくわくしながら準備しています。入居者の皆さんの笑顔が原動力となり、もっとこうしようとアイデアが湧いてきます。仕事仲間とも、心を重ねながら調理に向き合う日々が、楽しくて仕方ありません。

家に帰れば、家族の笑顔に心が安らぎ、会話も弾みます。60歳を過ぎてからの人生が、信じられないほど穏やかなものになりました。生きがいを味わう毎日に、「神の教えを学んでよかった。神様ありがとう!」と、感謝でいっぱいです。