89歳の実母が脳梗塞を起こし、「いつ命を落としてもおかしくない」と、医師から告げられました。同居していた弟は、発見が遅れた…と責任を感じて落ち込み、私も、突然のことに動揺が激しかったです。
今やるべきことが見えて
「家族が一丸となって、お母さんの心に安心感を届けること」。神の館へ救いを求め、今やるべきことを教わりました。その言葉に、これまで一人で抱え込んでいたことに気付いたのです。
この数年間、佐賀と母が住む福岡を往復する生活で、行くたびに心配事が増え、体調を崩していました。しかも、その原因を夫や子供たちのせいにして、自分を省みていなかった私でした。
「やるべきことをしっかりやろう」。家族が一丸となって、母を励ましました。家族の写真入りのメッセージボードを作り、母の枕元に飾った時のことです。意識がもうろうとしている母が、涙を流し、必死に左手を動かしたのです。母に家族の愛が伝わったこと、神が守ってくださっていることをはっきりと実感しました。
コロナ感染にも心重ねて
そんな矢先、母のいる病院で、新型コロナのクラスターが発生し、母も感染したのです。医師の「重症化は避けられない」との言葉に、私はまた動揺しました。しかし、すぐに「私たち家族が揺れては駄目。しっかりしなくては」と神に願うと、心が安定していきました。やがて母は、奇跡的に平熱に戻り、陰性になったのです。
母の症状が落ち着いた頃、夫が「お母さんを佐賀へ転院できないだろうか」と提案してくれました。家族でよく話し合い、医師にも相談したところ、驚くほどスムーズに転院がかなったのです。家族みんなの母を思う心が重なると、神のご守護が大きいことをあらためて感じました。
心に届く家族の思い
現在、母の血液のデータは、健康そのもので、さまざまな炎症の数値も安定しています。ただ、脳梗塞は徐々に広がっていて、意識の回復は見込めません。
それでも、「お母さん、きょうも来たよ」「家族みんな元気だから安心して」などと、母の耳元で伝え続けています。最初は険しかった母の表情が、少しずつ穏やかに変わっていきました。今は、こんなにきれいな母を見たことがないと思うほど、優しい顔で眠っています。意識はなくても、家族の思いが確実に母の心に届いているのを感じます。
母との時間を大切に、ますます安心してもらえるように家族で心を重ねていきます。