No. 360

夫婦で上った仕合せの階段
超が付くほど大切な存在に
(栃木県HT/70代女性/主婦)

「家族のためだけに生きてきたお母さんに、仕合せになってほしい」。15年前、娘からそう言われ、私は再婚しました。

一緒に生活すると、夫は、超が付くほどのお人よし。半面、超が付くほどの短気で驚きました。

自分の思いばかり…夫の心は?

5年前、夫はがんを患ったのをきっかけに、真剣に神の教えを学び始めました。その頃の私は、相手の欠点をズケズケと言っていたと思います。「良いところもあるんだから褒めてくれよ!」と、夫が口癖のようにしていた日々でした。

それから数年たって、あれほど短気だった夫が変わりました。「穏やかに、穏やかに…」私に接しようと努力しているのが、痛いほど伝わってきたのです。

ところが昨年、夫が大爆発…。数日たって落ち着いた頃、「爆発したお父さんは恐ろしくて、そばにいられない」と言ってしまいました。その後、二人で教えを学んでいる時、「天に向かって唾を吐けば、自分に返ってくる」というひと言にハッとしました。それまでは、夫のためのご教育と受け止めていたお言葉が、自分に言われていると、初めて感じたからです。

自分の思いは伝えているものの、夫の気持ちはどうだったのだろう…、と反省しました。思っていることをポロッと言ってしまう。「夫は、そんな私の性格が嫌で、我慢して気持ちをためていたのでは…。だからちょっとしたことで爆発するのかも」と気付いたのです。そして、その欠点を直そうと神に願い、実行していきました。

夢かと疑う夫の姿

ことしの夏、暑さに体が参ってしまった時のこと。いつもは夫に萎縮して、一人で頑張ってしまう私です。それが、「お父さん、体調が悪いから助けてほしいの」と素直に頼れたのです。

驚いたことに、夫から「分かった。心配しなくていいから休んでいろ」といたわりのひと言が。家では、縦の物を横にもしなかった人が、食事の支度から後片付け、ゴミ出し、風呂洗い…と、私が元気になるまで家事をしてくれたのです。台所に立つ夫に、「お父さんの背中に天使の羽が見えるわ」と笑い合いました。別人のような夫の姿に何度、夢と思ったか知れません。

何気ない会話に仕合せいっぱい

「ねえ、お父さん」という呼び掛けに、「なんだい」と返ってくるだけで、「家族がいるって、なんて仕合せなんだろう」と胸がいっぱいになります。今では、「夫が世界中で一番大切な存在」と思えます。

この一年、夫婦仲の階段を数段上れたように感じ、心が穏やかです。ますますお互いの良さを引き出し合うために、神の教えを生きる支えにしていきます。