No. 353

感謝の介護生活
受けた恩を直接返せる喜び
(横浜市MO/50代女性/パート)

83歳になる母が引っ越してきて、私たち夫婦との同居生活が始まりました。

母は、歩行器での移動はできますが、料理や入浴は難しいので、私がサポートをしています。

“一緒で楽しい”を目指して

母が加わった新しい暮らしは、毎日が全力投球です。介護をする中で、私が心掛けていることがあります。

それは、“楽しい我が家”にすることです。ご飯を食べる時も、テレビを見る時も、「ただ一緒」ではなくて、「家族と一緒で楽しい」時間にしたいのです。そう思ってもらえるように、母の様子を見ながら折につけ会話を挟み、お互いの気持ちをシェアしています。

トイレは一人でできる母ですが、たまに失敗してしまうこともあります。とても落ち込んでいるので、「全然大丈夫だよ♪」「洗えば済むよ♪」と何事もなかったかのように、サラリと接しています。母の気持ちが、「悪いね。申し訳ないね」と負担になるのを少しでも軽くしたいからです。

夫も、母を気遣って、家のリフォームや細かい工夫をしてくれました。また、食後のデザートを用意してくれたり、食事のこともサポートがあって、ありがたいです。

母からの「ありがとう」が宝

仕事もあるので、へとへとに疲れるときもあります。もし、神の教えを知らなかったら、「自分のための時間がない」と不満を募らせていたかもしれません。でも、教えがあるから、「今の私がいるのも母の愛があればこそ」と、思えるのです。

小さい頃、体の弱かった私は、散々母の手を煩わせて育ちました。子供のいない私たち夫婦です。育ててくれた恩を直接親に返せることがありがたく、「感謝の介護」をしている毎日です。

毎晩、母に布団を掛けながら「おやすみ、またあしたね」と言うと、穏やかに「ありがとう」と返してくれます。この優しい空気が漂う、仕合せな瞬間は私の宝物です。

母から、「ありがとう」と言ってもらえる今の時を大切に、たくさんの優しさと仕合せを返していきたいです。