No. 265

赤ちゃんが教えてくれた
仕合せへの道、本当の家族
(横浜市SI/30代女性/主婦)

現実が受け止められずに

結婚後、妊娠が分かったものの、すぐに流産してしまいました。当初は、「なぜ、自分がこんな思いをしなくてはならないの…」という感情が、心の中にぐるぐると渦巻いていました。

しかし、振り返ってみると、自分のことを棚に上げ、ずっと人を責めていたことに気が付きました。こんなつらさを味わわなければ、その至らなさに気付けなかった私…。悔やむ気持ちと、夫にも、生まれてこられなかった赤ちゃんにも、申し訳なくて、涙が止まりませんでした。

そんな時、「命の誕生、神の手の中、計らわれし慶事と申す。人知を超えた計らい事ゆえ、不信、不敬はならず」という、神の教えが思い出されました。生命の誕生は、人知では計れないもの、全てが神の手の中のことでした。

“母”の思いが心を流して

流産と言われた日、病院に向かう途中の駅の階段を、おなかを気遣いながら下りていたことを思い出しました。妊娠が分かってから、初めて母親らしい気持ちを味わった瞬間でした。その思いがよみがえってくると同時に、他人を責めていた心が、きれいに流れていったような気がしたのです。

「誰もが、母親や多くの人に愛されて生まれてくるもの」「親御さんが心を込めて、大切に育てたはず」そう思うと、いっときのことで他人を責める心を持つのは、何て愚かしいことかと、ハッとしました。赤ちゃんが教えてくれたのだと思いました。

温かい家族の支えに癒やされて

それを夫に話すと、「過去の思いを流して、本当の家族になるために、夫婦にとって必要な経験だったんだな」と優しく言ってくれました。夫が私の気持ちを理解してくれたことで、流産を受け止められたのです。

これほど心が変わったのは、夫をはじめ、寄り添い、受け止めてくれる家族がいたからです。そして、心を正せる神の教えを学んでいたおかげです。

「仕合せの基は和のある家庭」という神の教えを、身をもって体験しました。今後も、家族で思いを共有する会話を大切に、一つ一つの経験を糧としながら、歩んでいきたいと思っています。