やりたい店の姿を見失い
私は、夫婦で食堂を経営しています。開店当初の経営は苦しく、毎月の借金返済がやっとの生活でした。
ところが、テレビ番組で特集されたことがきっかけで、開店前から行列ができる有名店に。売り上げが伸び、借金も減ってきた半面、忙しさのあまり、夫と「これが本当に私たちのやりたかった店なのか…」と考えるようになってしまいました。
あふれる会話で心を重ねて
そんな中、新型コロナウイルスの影響で、店の休業要請が出されました。収入がなくなる心配はありましたが、常に夫婦で『友輪』を読み、神示から家族で心を重ね合わせる大切さを学んでいたので、「今、何か気付くべきことがあるはず!」と、前向きな心でいられたのです。
家族そろって食事をする中で、いろいろな話をしました。娘は疲労からくる私の足の痛みを心配し、孫はそんな私に寄り添ってさまざまなことを手伝ってくれ、ありがたかったです。
一緒にいるのが当たり前になっていた家族と会話を深めるうちに、お互いにいつも気に掛け合っていることに気付きました。家族の支えのおかげで、店が営業できていたことに、あらためて感謝でいっぱいになりました。
当たり前ではないと気付きが
休業要請が解除され、数週間ぶりの営業再開。お客さまが来てくれるか心配でしたが、店を開けると常連の方の姿が。第一声は「楽しみに待っていたよ!」の温かい言葉でした。これが、本当に私たち夫婦が望んでいた店の姿だと、すぐに分かりました。
多くの人との関わりの中で、店が成り立っていること。私たちの店の味を楽しみに待っていてくれる人がいること。決して当たり前ではなく、どれほど私たち夫婦の生きがいにつながっていたかを、気付かせていただきました。
店は、以前と変わらず繁盛しています。
娘夫婦のサポートはもちろん、孫が配膳などを手伝ってくれることも、私たちの喜びです。これからも、皆さんに愛される店づくりに、夫婦で取り組んでいきます。