No. 1075

働きづめの人生に
自然と生まれたゆとり感
(石川県SO/70代女性/パート)

そば屋を営んでいた父と、小料理屋を営んでいた母。仕事中心の家で育った私もまた、同じように働くのが好きでした。ところが、結婚した夫は正反対。働きもせずに家にいます。見かねた知り合いが、「夫婦でやってみたら?」と、ビル掃除の仕事を紹介してくれ、2人で始めました。しかし、待てど暮らせど夫は来ません。結局、私一人で働く日々…、離婚を決心しました。

頑張る実体は良くも悪くも…

離婚後は、2人の子供を育てるために、昼夜を問わず働きました。毎日2、3時間の睡眠で、1日も休まないまま10年以上。神様が大好きな私は、偉光会館の清掃に参加するように。そのひとときだけが、心安まる時間でした。

神の教えも学ぶうちに、「一人で頑張る」…良くも悪くも、これが私の実体だと分かってきました。根性がないとやってこられませんでしたが、それに比例して、私の心はとがっていったことに気付いたのです。

だんだんとでした。今まで見えなかったものが見えてきました。家計の足しにと、学生時代から新聞配達をしていた息子。友達に嫌がらせされても、頑張って登校していた娘。本当は、「私だけ」が頑張っていたわけではなかったのです。

子供たちが優しくなった理由

家族にこそ、柔らかい心で接しようと思ったものの、仕事中心で会話のない家で育った私には、子供と話す、ということが分かりません。神に心を支えていただこうと思い、祈願して接するようになりました。

「ちょっと聞いてもいい?」「話したいことあるんやけど…」何でも一人で進めてきた私の口から、こんな言葉が出てきます。息子に、「もう年やし、今年の冬は雪かきする自信がないわ」と話してみたら、「カーポート作るか」とすぐ動いてくれました。あれよあれよと工事が決まって完成。その2日後に、初雪が降りました。

雪が降ると、雪かきをしようとすっ飛んでいくタイプの私です。ところが、外に出ると、息子がもうやっていて、「お母さんは中におって」と言うのです。こんなこと言う子だったんや…と驚きました。娘は反発ばかりで、メールの返事も素っ気なかったのに、最近は「申し訳ないけど…」などと、親を気遣う言葉を掛けてくれます。今の私の目には、我が子の優しさがたくさん映るのです。

今までにはなかった仕合せが

先日、私と夫に清掃の仕事を紹介してくれた方から、「どうしてもお金が必要で、あなたの担当の仕事の一つを、私に譲って」と言われました。少し悩みましたが、30年以上も同じ仕事を続けられたのは、この方のおかげと思うと、「分かりました」と伝える私がいました。思った以上に喜ばれて、私の心もスッキリ。動かし続けた体を、少し休める時かなと思っています。

息子夫婦と孫は本当に仲良しで、それを見ると、「自分と同じ苦労を、子供たちに味わわせなくて良かった」と思います。元夫は3年前に亡くなりましたが、こんなに良い子供に恵まれたのは夫のおかげと、感謝が深くなりました。一人で頑張っていた頃にはなかった「心のぬくもり」を味わっています。

――人は 一人では生きられない――
 人 物との出会いを大切に 「思い」を伝えて生きる
――自ら家族に「愛」を向け 家族の思いを受け止め 「愛」を返す――
 「真理」に生きて 皆は 「運命」に重なる人生を歩んでゆける

――人は 一人では生きられない――
 人 物との出会いを大切に
       「思い」を伝えて生きる
――自ら家族に「愛」を向け
    家族の思いを受け止め
          「愛」を返す――
 「真理」に生きて
    皆は
     「運命」に重なる人生を
            歩んでゆける

『真実の光・神示 平成30年版』165ページ(中略あり)