No. 1917

視点が切り替わったら…
やりがいに満ちた教員人生

(福岡県KI/60代男性/教師) 

英語が好きで、人に教えることも好きで、希望を持って歩み始めた教員の道。しかし、いざ中学校に赴任してみると、英語以外の指導力を求められることも多く、自らの至らなさに悩みました。やがて郷里に戻り、私立高校で勤め始めましたが、ここでも重宝されるのは、指導力のある若い先生…。教員としての価値は、努力や経験ではなく、持って生まれた資質によって決まるのか…。恥ずかしながら、理不尽に感じることもあったのです。 

自分目線を「生徒目線」へ

そんな私にとって、偉光会館は気持ちを立て直せる場所でした。勉強会で自身を振り返っては、神殿で祈願。それを繰り返すうちに、だんだんと生徒の成績という「形」にこだわっていた自分が見えてきたのです。結果を見ては一喜一憂し、自身と他の教師を比べては、劣等感を覚えることもあった私。一生懸命努力しているつもりでも、考え方が自分本位。「生徒目線」を忘れていたと気が付きました。

つまずきの原因が見えると同時に思いました。勉強会では、一人残らずの人に、役立つ力、「運命」があると学びます。私の強みは、時間をかけて授業の準備をしたり、積極的に教員の研究会に出るなど、コツコツ地道に努力をすること。その持ち味を生徒たちのために生かして、もっと惜しみなく関わっていこう。前を向き始めた気持ちを後押しするように、「自信を持っていいと思うよ」と、妻も温かく励ましてくれたのです。 

学ぶ喜びを引き出せるように

思えば、縁があって出会えた生徒たちです。一人一人が楽しく英語を学べたなら、自然と学力も伸びて、より良い将来につながっていくはず…。そうした願いを込めて、授業に当たるようになりました。授業中、あらためて生徒を見ていくと、みんな一生懸命な表情をしています。その顔が明るく変化したときは、授業で何かをつかめた証拠。分かりやすく伝えられたのだと、私までうれしくなってしまう瞬間です。自分が培ってきたことを、精いっぱい生徒に伝えたい。その心で臨むうちに、葛藤も、劣等感も、きれいに消えていきました。授業以外にも、生徒から「面接の練習をお願いします」などと頼られることが増え、やりがいを感じるようになっていったのです。 

持っている力を惜しみなく

そうして走り抜けた約40年。あっという間に定年を迎え、今年からは非常勤に。ところが、相変わらず、いろいろなクラスの生徒から、「推薦入試のための面接を…」などと声が掛かります。そんなときは、少しでも生徒の魅力が引き出せるように…と考えながらアドバイス。「先生ありがとう!」「練習のおかげです!」。生徒の笑顔や喜びの報告が、何よりうれしいです。成績の良しあしだけで生徒を見ず、誰に対しても公平に、誠実に…。真理に触れているからこそ、大切なことを見失わずにいられるのだと思います。最近では、若い先生方の役に立てるように、自習室の監督も積極的に行うようになりました。これからも、私にできることで精いっぱい、心を尽くしてまいります。 

仕事とは何か 気付くこと
 職務 職業と捉えることで
  出会いを生かす気持ちを欠いて行く
 常に環境を明るくし
   周りの人々の気持ちを大切に
              心を遣う
 「運命」に守られ 導かれた
        人の姿が ここにある
「教え」に生きることで 人間は
  「運命」の力に守られ
   皆が仕合せを共有できる成果を
             導き出せる

(令和6年12月23日〈中略あり〉)