No. 1880

人の温かさに心がポカポカ
幼少からの孤独感が氷解!

(宮城県MO/50代女性/機能訓練指導員) 

未熟児で生まれた私は、右目が全く見えず、左目は弱視の中で育ちました。小学校1年生からは、視覚支援学校の寮へ。両親や祖母、兄、姉と離れて暮らす毎日は、ただただ孤独。心は寂しさでいっぱいでした。 

人に頼れなかった私に転機が

学校を卒業し、指圧やマッサージの仕事に。やがて結婚しましたが、直後に夫に末期のがんが見つかり、一緒に過ごせたのはわずか2年。その後、両親も亡くし、ずっと一人で生きてきました。兄や姉と仲が悪いわけではありません。でも、誰にも頼ることなく、「何でも自分でやらないと」。それが、“自立した人生”と思ってきたのです。 

転機は今年の1月。突然、歩けないほどの激しい腹痛に襲われました。診断は、急性胆のう炎。病院からの連絡を受けて、駆け付けてくれたのは、兄と姉夫婦でした。 

胸に迫った、人のぬくもり

もし一人だったら、不安で、どうしたらいいか分からなかったはず…。でも、そばに寄り添い、医師の説明も一緒に聞いてくれたおかげで、摘出手術を受けようと決断できたのです。入院に必要な手続きも、「全部やるから大丈夫だ」と、兄が引き受けてくれました。口数が少なく、ぶっきらぼうな兄なりの気遣いが、どれほど心強かったかしれません。 

手術は無事に成功し、わずか4日で退院。迎えに来た姉夫婦が、「良かった」と自分のことのように喜んでくれ、職場では、同僚や利用者さんが、「待ってたよ」と温かく迎えてくれました。胸に迫った、人の心の、何とも言えない“ぬくもり”。「私は、家族をはじめ、みんなの力を借りて生きているんだ」と、心がポカポカしてきたのです。 

支え合って生きる心に

「しっかりしなきゃ」と、気を張って生きてきた人生。それは、家族や人を頼らない、我の強さでもあったと感じます。人間は一人では生きられないのだから、支えられていいんだ。その分、自分にできる精いっぱいのことで恩返しをしていこう。「何でも一人で」という、とらわれが粉々に吹き飛んでいきました。 

姉に、書類の代筆を頼んでみたら、気持ちよく書いてくれました。私も、少しでも姉の心の支えになれば…と、通院に付き添ったりしています。兄にも、日常のささいなことも、何かと連絡するように。いつも「体は大丈夫なのか?」などと気遣ってもらえて、安心感を味わっています。そんな心の交流に、小さい頃から抱え続けた孤独感が解けていきました。 

愛にあふれた自分を目指して

職場でも、目が見えない分、相手の不安を感じ取ったり、ホッとしてもらえるような言葉を掛けたり。利用者さんに「元気になってほしい」と、思いを込めて施術に当たる日々。「あなたにやってもらうと何か違う」。そんな言葉に生きがいを感じます。 

両親が幼い私を寮に入れたのは、「目が見えなくても、親がいなくなっても、生きていけるように」という深い愛情。そう思うと感謝が込み上げてきます。「おかげで仕事にも就けて、いろんな人との出会いが頂けて、仕合せです」と、毎日、遺影の前で思いを届けています。 

本来であれば、夫と死別した時に、孤独に押しつぶされていたでしょう。それが、こうして、人と関わる充実感を味わえていることに、神のご守護を感じます。今の私の目標は、そこにいるだけでホッとする、愛にあふれた人になること。そういう自分を目指して、一つ一つの出会いを大切にしていきます。 

人間は 多くの出会いを重ねて
     実体を磨き 高めてゆく
            存在(もの)
 両親(おや)の愛を受けて
   実体を芽吹かせ
     「仏の道」に出会いを広げる
「教え」を通して
   家族の愛を受け止め
         報恩の心を知るべし
 「教え」が
   人間(ひと)の心を豊かに育み
    出会いに報いる思いを引き出す

(令和5年2月4日〈中略あり〉)

※実体;親、先祖から受け継ぐ、気質、体質、性格。また、成長過程で身に付けていく、物の見方や感じ方のこと。実体には、良いものと悪いものとがあります。悪い実体を修正するほど、自分の良さが光り、喜び多い人生を歩めます。詳しくは、『生命の歩み』127ページで確認しましょう。

※仏の道;この世には、神の世界、仏の世界、人の世界があり、人は誰もが、どの世界とも関わりがあります。「神の道」「仏の道」「人の道」とは、神が示された、それぞれに対する正しい関わり方です。「仏の道」は、代々命をつないできた先祖、また肉体を与えてくれた両親、そして目上に、礼を尽くし、安心感を与えること。仏とは、亡くなった人に限らず、生きている縁のある人々も含まれます。また、目上とは、年齢に関係なく、自分を引き立ててくれる存在です。詳しくは、『生命の歩み』41ページで確認しましょう。