No. 1818

障害者の自立に大きな壁が
感謝の心で手にした仕合せ

(山形県MS/50代女性/事務職) 

私は、幼い頃に受けた心臓の手術の影響で、胸から下の感覚がなく、車椅子で生活しています。長年、両親と妹家族と暮らしてきました。それが今年、大学を卒業した姪(めい)が戻ってくるのを機に、「自立しよう」と決意。しかし、高い壁が立ちはだかりました。家も仕事も、障害者向けの数が少ない上に、駐車場の広さや段差など、設備面の条件が常に付きまといます。特に雪深いこの土地では、除雪の問題があり、苦労の連続でした。 

気付いた!“当たり前”の感覚

「何か、私が気付いていないことがあるのでは…」。物事が順調に進まず、心が折れそうになるたびに、神の教えに触れました。そこで見えてきたのは、「感謝」が足りず、「愛ある言葉」を使っていない自分の姿でした。特に家族に対しては、そばにいてくれるのが“当たり前”。会話もおざなりで、「言わなくても分かるでしょ!?」という感覚でいたのです。不動産会社や行政に対しても、「どうして、もっと動いてくれないの?」などと、不満を募らせていました。自分の修正すべき点が明確になって、感謝の心が持てるように…。温かい、愛ある言葉が使えるように…。必死に祈願しました。 

実践したら、事態が動き出して

まずは、一番身近な家族に実践です。「ありがとう」と伝えるのはもちろんのこと、相手の思いを感じ取る、ゆとりある心を意識しました。親が、「これ食べるか?」と勧めてくれれば、私を思ってくれる優しさを。農家の婿として家に入っている義弟には、見えない苦労もあるだろう…と。一つ一つに思いをはせた時、心の底から、家族への感謝が湧き上がってきたのです。 

家や仕事を探すときも、担当者に、「私のために、いろいろと考えてくださって、ありがとうございます」と、素直な思いを伝える心遣いを欠かさないようにしました。 

すると不思議なことに、滞っていた状態が急に動き出したのです。次に出会った不動産会社の方は、何と出身校の先輩で、すぐに物件を見つけてくれました。大家さんも、スロープや手すりの設置を快諾。ご近所には知り合いが何人もいて、住んでいる今も、気に掛けていただいています。就職先も、私の事情を知った友人を介して、無事に見つかったのです。あっという間の進展に、仕合せは、感謝の心が運んでくることを、身をもって味わいました。

形の制限はあっても、心は自由

一人で暮らす毎日には、これまで以上の制限もあります。けれど、心は自由で、人のために“奉仕する”意欲は枯れません。職場では、まだ戸惑う場面もあるものの、「私にできることはありますか?」と、自分から声を掛けています。町内会の方にも、「何かお役に立ちたい」と思いを伝えました。雪かきの作業はできなくても、連絡係など、私にできる形で関わりたいのです。 

仕事が休みの日には、今も実家の農作業を手伝いに行きます。両親や妹夫婦と一緒に汗を流すひとときは、何よりの縁を深める機会です。先日、義弟が「今度、夕飯でも食べに来ないか」と言ってくれました。数ある出会いの中でも、家族の存在は、やはり特別だと感じます。決して“当たり前”ではないこの縁を大切に。もっと素直な心で触れて、絆を太くしていきます。 

万人 万物との出会いを大切に
 感謝の思いを欠かさずに
        日々生活すれば
  人間は 誰もが生きがいを手にし
      夢ある人生を歩んでゆける
神示「真理」に 「人生の真理」を学び
  「実体」を修正することから始める
 自然と気持ちは安定し
  人々との出会いを生かす心が芽吹く
 この時
  奉仕に生きる思いが引き出され
   「運命」に導かれた人生が
            始まっている
 家族の会話は 広がり 深まり
     家族の心は生き生きしている

(令和5年12月23日〈中略あり〉)