(静岡県FA/70代女性/主婦)
父母も逝き、娘も自立。夫婦二人の生活は、口論が絶えない苦痛の日々に。この胸を突き刺す夫の言葉。機嫌を損ねれば、私が外にいるのに鍵を閉められる。次元の低いけんかだと分かっているから、情けなさが募るばかり…。「もうけんかするの、やめようよ」と、何度言ったことか。夫だって願っているはず。なのに、「本当に分からない人!」「何でこうなってしまうのだろう」と、一人泣いたことは数知れません。笑い合って過ごす晩年を思い描いていたけれど、もう一緒に暮らせない。夫婦でいるのは諦めようか。そこまで切羽詰まっていたのです。
ある日、家に帰るのがつらくて、近くのホテルに宿泊。夫に断りもしませんでした。冷静に、自分を見詰めたかったのです。結局、答えは見いだせず、翌日渋々帰宅。すると、夫は、友人や警察にまで連絡をしていました。私を心配してくれるとは…。意外な行動に、心底冷たい人でもないのだと思いました。
“変わる”決意を実践へ
相変わらず、解決の糸口は見えないままだったものの、ふと神の教えを思い出しました。“人間関係を滑らかにするこつ”。相手の自尊心を傷つけない。温かい関心を持って、話を最後まで聞く。
考えてみれば、似た者同士。短気で感情的なのは、私も一緒。夫の心を傷つけても、言いたいことを全部言わないと気が済まないのですから…。胸を突き刺す言葉を出していたのは夫だけじゃなかったと気付きました。相手に変わってほしい、分かってほしいとずっと求めていたけれど、“私が変わるのが先”と決意。
実行したのは、夫の行動に、すぐに口を出さない。話を聞く。強い言葉で言い返さない。そういう私になりたいと祈願しながら…です。物を動かすこと一つも、自分の考えとは違っても、夫の意見を尊重してみると、結果、そうして良かった!と思えるのです。夫の好きな政治・経済の話が始まっても、以前のように、うんざりした顔を見せるのではなく、まずは「そうなんだ」。夫の気持ちに寄り添おうと思っていると、なぜか苦もなく聞けます。ちょっと話が長いなと感じても、「その辺でいいかぁ」と柔らかく言えて、夫もいい感じで話を終えるようになりました。
心が救われ、夫の長所が見えて
夫と向き合おうと頑張っていく中、不思議なことがありました。祈願をしていた時、心に居座っていた重い石が、ポーンと取り除かれたような瞬間を味わったのです。すがすがしく、体まで軽やか。言葉では表せないほどの安心感に包まれました。
気持ちが安らぐと、夫の良さが次々と思い浮かびます。子供が幼い時分の子煩悩な姿。椅子やデッキの屋根は、家族を思って作ってくれた物。何より、ここで暮らし続けてこられたのは、夫の存在があったから。いつしか、無理をして合わせるのでなく、我を張ることもなく、素直でいられるように。夫も、毎朝、「きょうもよろしく!」と声を掛けてくれます。そして、ハグハグ。今の二人の日課です。
子孫に仕合せがつながる希望が
訪ねてくれた娘から、「お母さん、優しくなったね」と褒められました。驚いたことに、そういう娘夫婦も、語り合う様子がそれまでとは違うのです。言い争う親の背中を見せてきた後ろめたさが、晴れました。気持ちが穏やかで、こういう心の世界ってあるんだなぁと実感。こんなに素晴らしい人生を歩めるなんて、想像もしていませんでした。神に出会えて良かった。この仕合せが、子や孫に必ずつながっていく…。そんな希望が湧いています。



――和のある所(環境)に
「仕合せ」は芽吹き 育ちゆく――
心で生きる人間は
「仕合せ」心に感じるほどに
「生きる」力が湧きいでるもの
――神の教えを我が家に生かす――
自然と 家族それぞれ
共に生きる今の仕合せ 心に感じ
笑顔の絶えない我が家となるのである
『真実の光・神示 平成19年版』181ページ(中略あり)


