No. 1728

見えなかったものが見えて
あふれてきた家族への感謝

(長野県HO/60代女性/パート) 

私は、生後間もなく養父母に引き取られました。養母から「おまえは捨てられた子」と言われ続け、養父も厳しい人。優しくされた記憶がありません。 

10代で結婚しましたが、養母の意向で、夫が家に入ることに。仕事が多忙の夫とは会話する間もなく、2人の子供は病気や事故で、何とか一命を取り留めた状態。一日たりとも心の休まる日がありませんでした。その頃、夫婦で神示教会に在籍し、少しずつ人生が変化。驚いたのは、養父が他界し、養母が危篤状態になった時のことです。ずっと憎んできた養母を前に、「死なないで…」と号泣。過去の思いがきれいに流れ、最期をみとることができたのです。 

心の奥からあふれてきた思い

ことし私が立てた一年の目標は、毎日神示に触れること。それを続けていたある日、ずっと昔の、養父母と過ごした時の記憶が浮かんできたのです。涙とともにあふれ出てきたのは、「私は何と傲慢(ごうまん)だったのだろう」という思いでした。 

4度も死産を経験した養父母は、どんなにつらかっただろう。そんな中で育ててもらいながら、感謝なんて全くなかった。認知症になって同じ話を繰り返す養母を責めたことも思い出し、もっと優しくすればよかった…と胸が痛みました。感謝のない心や態度が、養父母の厳しい言動を引き出していたのかもしれない。そんな心境になったのです。 

居心地の良い家庭を意識して 

思えば、夫に対しても、家庭を顧みない人だと責め続けてきた私。でも、それは、自分が居心地よい家庭をつくっていなかったからだと気付いたのです。挨拶一つしないでいたのですから。まずは「おはよう」と優しく声を掛けるうち、「もっと夫の心を知りたい」「一緒に笑って生きていきたい」と思えてきました。何も考えずに作っていた料理も、夫が喜びそうなものを出すと、今までなかった「おいしい」の言葉が返ってきました。 

夫は多くを語りませんが、頼まなくても、家の周りの草取りや砂利をならしてくれる人。そんな優しさに、私はあぐらをかいていたのかも。そう思えて、「きれいになったね。ありがとう。私じゃそんなふうにできないわ」と感謝の気持ちを伝えてみました。すると、夫が笑顔で応えてくれるのです。私が変わったら、夫の帰宅時間が早くなり、何げない会話も弾んで…。いつしか夫婦で過ごす時間が楽しいものとなりました。 

やっとスタートラインに

生まれて初めて味わう、家庭の温かさ、居心地の良さ。やっとスタートラインに立てた我が家です。ふと気が付くと、2人の子供たちも、それぞれ立派に成長。ただただ元気で、仕合せでいてくれることを願うばかりです。夫婦で温かく見守りながら、互いの縁を一層深めていきたいと思います。 

亡き養父母の魂には、親不孝だったことをわびるとともに、「恩返しのために家を守っていくから安心してね」と語り掛けています。まだ会ったことのない生みの親に対しても、「何で私を産んだの」と恨んでいた気持ちが一変。「きっと事情があったのだろう。産んでくれたから今の私がいる」。心の底から感謝できる今は、いつか会える日が来たら、気持ちを伝えたい思いでいっぱいです。 

自分の傲慢さも、家族のことも、私には見えていないものがたくさんありました。それに気付けたら、こんなに感謝があふれてくるなんて驚くばかり。日々、神示に触れて、仕合せな人生を夫婦で目指します。 

家族で「教え」を学ぶほど 人間は
  家族 縁者の不思議 存在に
         感謝の思いが芽吹く
 「命(人生)」の起源が見えてきて
   出会いの不思議を受け止められる
 その時 人の心は
   感謝心に包まれ
    「心の道」を受け継ぎ 守る
           「任」を感じる
人生の真実「真理」を悟り
   「教え」に生きる家庭を築き
     子孫に残す心(努力)が必要

『真実の光・神示 令和2年版』53ページ(中略あり)