No. 1712

関わりの薄い夫婦が
寄り添える仕合せを実感

(栃木県ET/70代女性/主婦) 

20代で結婚した当時、医師として働く夫の帰宅は、いつも夜中。開業後は、さらに多忙を極め、息子が生まれても、家族と過ごす時間はほとんどありませんでした。 

私が話し掛けたところで、夫は理詰めで答え、“こうすべき”と押し付けてくる人。心に残るのは、「言わなければよかった」という後悔と、「付いていけない」という苦しさでした。だから、「波風を立てずに過ごせばいい」と、夫とは会話も、関わりも薄い生活を送ってきたのです。 

驚くほどの心の変化が…

ところが、開業から20年ほどした頃、夫が喉頭がんで声を失い、やむなく閉院。それを機に、偉光会館へ足を運び、夫婦で神の教えを学ぶようになりました。これからどう生きれば…、夫にどう関わっていけばよいのだろう。そう思い始めると、今までの夫の姿が浮かんできたのです。 

学生時代から家族を支え、私の両親に介護が必要になった時には、実家に通わせてくれました。それに、私の妹家族への心遣いも欠かしません。そうした一つ一つに私は優しさを感じ、感謝が込み上げました。「これからは私が夫に尽くそう」。こんな気持ちになるなんて…、自分でも驚くほどの変化でした。 

自分の姿が見えてきて

喉頭を摘出した夫は、発声法を訓練して、徐々に会話ができるようになりました。けれど、ずっと思いを伝え合ってこなかった私たち。すぐには本音を言えず、話もかみ合いません。そんな私が変わるきっかけとなったのが、『生命の歩み』の「孤独を遠ざける」の項目。うわべだけの付き合いしかできず、家族にさえ深い話ができないのは、孤独を好む心の動きがあるから…。目に飛び込んできた内容は、まさに私の姿そのものでした。 

嫌な思いをしたくないからと関わらず、「夫が私を理解すべき」と上から目線。「きっとこんな反応をされる」といった思い込みもありました。私こそ、夫への関心が薄く、言葉や思いを受け止められず、自己主張ばかりしていたと気付いたのです。

たわいのない会話に仕合せを

「もっと夫を理解したい。そして寄り添いたい」と祈願するにつれ、「何が言いたいんだろう」と夫の思いを聞けるように。すると、夫から「ごちそうさま」「洗濯ありがとう」の言葉が。私も「お風呂掃除ありがとう。気持ちいい」と感謝を伝えて…。夫婦でたわいない会話ができる仕合せをかみしめています。息子も、「紫光輪(結婚50年の節目の儀式)に参列するよ」と言ってくれて、ようやく親子の心がつながったと感じています。 

再び生まれ変わっても、夫に出会いたい。今、心からそう思える自分がいます。だから、夫婦、親子の縁を大切にしながら、少しでも品格を磨いて、あったかい家庭を家族でつくっていきます。

「教え」で
   家族それぞれが触れ合うほどに
  自然と家族の会話は
        重なり 増えて
   「真実の愛」が家族の心に芽吹く
「教え」が家族の心を一つに重ね
  支え 補い合って「生きる」
        心(愛情)を強くする

『真実の光・神示 令和2年版』15ページ(中略あり)