No. 1672

“怖い”のひと言から見詰め
ガラッと変わった人間関係

(大分県TK/20代女性/作業療法士) 

いつも「思いやりの心」で、人のために動く両親。その姿を見てきた私は、作業療法士となって5年。自然と、患者さんのために尽くしていました。上司、先輩にも恵まれ、楽しい毎日。それが、後輩が入ってきたことで、ガラガラと崩れたのです。 

部長からのまさかの言葉

面倒見のいい自分の本領発揮!とばかりに、後輩に親身に関わりました。ところが、部長との定期面談で、まさかの報告を受けたのです。後輩が、私のことを「怖い」と言っていると…。人生で初めて言われた言葉に、大ショック。面倒を見てあげていたのに、私の何が悪いの!?…どん底まで落ち込みました。 

自分に足りなかったのは…

仕事が終わると、母に電話して話すのが私の日課。その日も、「つらかったね」と聞いてもらううちに、落ち着いたのが不思議でした。そして、母に促されて入った教務相談。職員が勧めてくれた教会図書に、自分に足りなかった答えがあったのです。「相手の思いを感じ取って動くところに、人や物との調和が保てる」。これだ!と思いました。 

後輩は、患者さんのことを知りたいだけなのに、つい心配で「あれは大丈夫? これはどうするの?」と事細かに確認。「一人でやってみます」と言われても、「私も一緒にやるよ」と、余計なおせっかい。相手の考えをくみ取らずに、思いやりの押し付けになっていた…。自分の分、立場を越えていたのです。求められていることに、できることで精いっぱい応えればいい。“原因”と“修正点”が明確になったら、一気に気持ちが楽になりました。 

感じ取って動いてみると 

それからは、職場で、相手の立場や考えを酌んで動くように。他部門と関わるときも、「この患者さんには、こうしてほしい」をやめました。相手がどう考えているのかを聞いた上で、自分も作業療法士としてできることを提案。どんどん連携がスムーズになりました。 

そんなある日、あの後輩から受け持ちの患者さんのことで相談されました。ドキッとしたものの、相手が求めていることを感じ取れるように祈願。自分が知っている情報を伝えたところ、「教えていただいたことを踏まえて、向き合ってみます!」と笑顔で返してくれたのです。自分が変わることができた、確かな手応えを感じられた瞬間でした。 

「宝」の磨き方が分かった! 

問題に直面したときに、「こうしなければよかった」「あの人が悪い」と、とっさに思うのが本来の私。今回も、上司や後輩を責めて、縁を切っていたかもしれません。それが、自分を見詰められた不思議。逆に、人との縁が深まっています。患者さんから、「あなたが担当で良かった。ずーっといたいわ」と言われることも。「ありがとうございます。でも、元気になって退院されるのが一番うれしいです」と笑い合っています。人に役立てる喜びを感じる毎日です。 

両親から受け継いだ、「思いやりの心」という宝物。押し付けやすいという性格を修正すれば輝いていく。宝の磨き方をつかめた今、私の心は希望にあふれています。

我が「運命・実体(こころ)」を
    深く見詰める「悟り」はいかに
 「教え」を学び
      「人生の真理」を深く知る
 自然と「人生(こころ)の姿」が
            見えてきて
   感謝の心で
     万人・万物を受け止められる
 互いの運命は重なり始め
      互いの実体も磨かれてゆく
 生きる日々に
  協力 共感できる出会いが生まれ
       「人生」が好転して行く

令和6年3月23日 『友輪』341号24ページ