No. 1627

「私は悪くない」が消えて
切れかけた縁がつながった

(長野県EO/80代女性/無職) 

夫の母が入所する茨城の施設まで、月1回、5年間、長野から通い続けました。その義母が他界。亡き夫の弟と妹に連絡して驚きました。葬儀にも、納骨にも出席しないと言うのです。いろいろ事情があるとは思いつつ、心残りがあってもいけないと、もうひと声。「105歳まで生きたお母さんを褒めてあげてほしい」と言葉を添えたところ、葬儀に参列してくれたのです。 

その時、昔の写真を準備してお母さんの話をすると、和やかな雰囲気に。帰りには、納骨も行くと言われて、ほっとしました。 

不和の“根っこ”を見つけた

ところが、状況が一転。義母の年金から、生活費や施設代などを差し引いて、残りを義弟と義妹に渡したところ、態度が変わってしまったのです。額が大きかったから? 何で、どうして…と考えていると、自分の中に、ある思いが膨らみ始めました。同居して、60年も面倒を見て、最期を見送ったのは私。遺産も、法律にのっとって進めたのだから、「私は何も悪くない!」。 

でも、“仲良くしたいだけ”なのに、何が足りないのだろう。その答えに気付けたのは、人の道の基本を示された「教会の十教訓」に触れた時でした。「肉親 身内 近所同士は 和合せよ」。この教えの基本を、今まで自分に都合よく捉えて、できていると思い込んでいただけ。私が悪くないということは、相手が悪いと言っているのと同じ。心底からの和合の心は、持てていなかったのです。思えば、義母と夫はよくぶつかっていて、私も苦労しました。身内と仲良くできないという、我が家の“根っこ”。遺産相続で不和をもたらしたのは、まさにこれだったのです。 

心が通う会話を大事に

和合するのに大事なのは“会話”。それには、「私は何も悪くない」という心を排除しなければ前に進めない。自分から歩み寄ろうと思いました。この心を求めて毎日祈願して、十教訓を意識するにつれ、「私は悪くない」と思う心が、見事に解消。さらには、「亡き夫のきょうだいは、私にとって大事な人たちだから、仲良くしたい」と、心から思えるようになったのです。 

ちょうどその頃、「もう連絡しない」と言っていた義弟から、体調が悪いとの電話が。よほどつらかったのだろうと、話を聞いて励まし、「連絡してくれてありがとう。うれしい」と伝えました。これを機に連絡を取り合うと、今度は義弟のお嫁さんとLINEする間柄となり、「ありがとう」と感謝まで。夫婦の写真が送られてきたり、私の近くで暮らしたいと言ってくれたり、どんどん縁が深まっています。 

義妹とも、LINEしたり、好物を作って送ったり。最初は「届きました」だけだった返事に、最近は「おいしかったよ」もプラス。「一生仲良くしたい」とも伝えられて、義弟と義妹との間の壁は、もう全くありません。「肉親は和合する」という正しい心の使い方を、ようやくつかめた思いです。 

仲良く縁をつないで

かつて、娘の本音を後で知った時、「言ってほしかったのに…」と思ったことがあります。責める心の背景に、「私は悪くない」の心があったはず。本音を言えない原因が自分にあったと分かって、娘に伝えました。「今まで言いたいことを言えずに、我慢させてごめんね」と。先日、娘から、「先のこと、何も心配しなくていいからね」と言ってもらえて、うれしくて、心が温かくなりました。 

今、家族や身内との関係性が、和合へと一直線に進んでいく実感があります。「私は悪くない」の心を流せず、子や孫に残してしまっていたら…と思うと、ぞっとします。家族や親族との縁をつないで、みんなが仲良くする、この良い流れを確かなものとしていきます。

奉仕の真理に悟りを深め
  一人一人の出会いを大切にすること
「教え」が日々の心(人生)を高め
     悔いなき人生へと導いてゆく
家族 縁者との会話を深め
       感謝の思いを自ら伝える
 我が存在を軸に
  家族 縁者の会話はますます深まり
   運命を磨く 和のある家庭環境が
            築かれてゆく

『真実の光・神示 平成29年版』122ページ(中略あり)