No. 1628

我が家から消えた「短気」
良い生き方を子に、孫に

(山形県AH/50代男性/会社員) 

「何でそんなに怒りっぽいの?」。結婚当初、妻からのひと言にあぜんとしました。というのも、子供の頃から、父の短気な性格が嫌で、反面教師にしてきたからです。それなのに、自分も同じことをしている。しかも、気付いていながら直せない。例えば、出掛ける時。家族の準備ができていないだけでイライラ。「何で遅いんだよ!」と、強い口調で言ってしまいます。妻から、「用事があるんだから、パパのペースに合わせられるわけがないでしょう」と言われ、ハッとはするものの、自分を変えることはできないままでした。 

悪いところが親子でそっくり!

そんな中、中学生になった長男が反抗期に突入。家族で外食した際、がくぜんとする出来事がありました。注文に迷っている私を、息子が「決めるのが遅い!」と怒ったのです。気に入らないことがあると感情的になる。私とそっくりでした。親から私、そして子供へ…悪いところが受け継がれている。驚愕(きょうがく)の事実に、「自分の生き方を本気で直さなくては…」と決意しました。 

以来、ズバッと言われたり、カチンときたりするたび、短気が出ないように祈願。穏やかな自分になりたいと、必死でした。すると、少しずつ我が子の言動を受け止められるように。ゆったりした心で向き合えるのが、自分でも驚きでした。外食のときも、「待たせてごめーん。おいしい物があり過ぎて、迷ってるんだ」とおおらかに返せます。正しく生きようとする心を、神は必ず応援してくださると実感しました。 

夫婦で心を一つに関わって

神の教えを学ぶほど、人の心を思いやる気持ちが膨らんで、「自分軸」だった物の見方が、「相手軸」に変わっていきました。相手の事情や気持ちに心が向くから、「何で!?」と責めることはなくなりました。妻と「息子の思いを受け止めてやろう」と心を一つに向き合ううちに、反抗期も落ち着き、親子の会話も増えていったのです。将来について、「小さい時から、けがをするたびにお世話になった先生のような、お医者さんになりたい」という夢まで語ってくれ、夫婦で心から応援しました。 

まるで変わった父、私、息子

今、息子は医学部の3年生。一人暮らしで、忙しい毎日を送りながらも、何かと連絡をくれます。反抗期のあの時、神の教えと祈願を知らなければ、息子と正面衝突。こんな親子関係は築けなかったでしょう。何でも話せて、支え合える関係になれたことこそ、私にとって大奇跡です。 

父に対しても、昔は見えなかった愛情が感じ取れるようになり、年々感謝が強くなっています。その上、父自身も、神の教えを学んですっかり穏やかに。代々受け継がれてきた悪い因を、根こそぎ断ち切り、心を引き上げていただきました。息子の優しさや勤勉さを見るにつけ、良い面も確かに受け継ぐことができていると感謝でいっぱいです。 

「あなた、変わったね。昔は子供に言い返していたもんね」と妻。ここまで寄り添ってくれたことに、感謝しかありません。今は、温かくて、帰ってきたくなる家庭をつくり上げようと、夫婦で意識する毎日です。息子に、孫に、良いものを残せるように、二人でしっかり心を磨いていきます。

運命・実体で
 人生(こころ)つながる「家族」は
  実体を高め合う関わりが
   家族の人生を
    仕合せな時代(もの)へと導く
実体は
 「心の道」に受け継がれる
       家族の本質
           因縁 因果の元
 今生の人生で 人間ができることは
    「教え」に生きて
          実体を高める努力
夫婦の運命が重なることで
        家庭に調和が生まれる
 会話も増えて
  「愛」と「信頼」と「期待」で
    心重なり 支え合う家庭と成る

(令和6年10月23日 『友輪』343号12ページ〈中略あり〉)