(石川県TK/30代女性/保育士)
心配を掛けたくないから、人前では泣かないし、つらいことも、心にふたをして押さえ込んでしまう私。それが本当に苦しかったです。でも、その性格は、結婚しても同じでした。夫が疲れていれば、言いたいこともぐっと我慢。こんな自分から「変わりたい」と思っていても、なかなか変えられませんでした。
父の思いに応えようと
ことし、民謡の師範をしていた父が、脳内出血で意識不明に。その時、今までの父との関わりが、ぶわーっと心に浮かんだのです。もっと歌を教わりたかったのに、素っ気ない反応をしたこともあって、かわいい娘じゃなかった。このままでは悔いを残してしまう。「娘として父に何ができるのだろう」。切実な思いが駆け巡りました。
意識のない父に、「もっと習いたかったよ」と語り掛けると、心に湧いてくるものが…。父が願っているのは、“家族が一丸となる姿”。そう確信して、“絶対に父の思いに応えよう”と心が奮い立ちました。
みんなの心が重なる中で
まずは、母に連絡することから。つらそうで、何度も話を聞きました。でも、一人では支えきれず、夫に打ち明けると、私の背中をさすり、優しく寄り添ってくれたのです。「夫は分かってくれとる」。それがうれしく、どんなに安心したか知れません。お互いが本音を話せるようになり、夫婦の絆がぐんぐん深まっていくのが分かりました。
さらに、きょうだいや親戚にも連絡。声を掛け合って両親を支えるにつれ、みんなの気持ちが重なっていく感覚があり、とても心強かったです。そして、父は穏やかに旅立ちました。「家族が一つになった姿を見せたい」と、私なりに頑張って迎えた父の最期。安らかな表情から、「何も心配はないよ」と言ってくれているような気がしました。
縁をつないで深めたい
故人をたたえる玉納奉寿(葬儀)で、私は感謝を込めて、父に教わった民謡を歌いました。父のお弟子さんたちも口ずさみ、会場が温かい空気に包まれたのです。私の心には一点の悔いもなく、最高の形で父を送れたという思いに満たされました。
先日行われた神玉の儀(納骨)には、身内が参列。「お父さんがつないでくれた縁を、私も大切にして深めていきます」。そう父の魂に誓いました。会えない寂しさはあっても、不思議なほど父が喜んでいると確信できるのです。
良い因を残す生き方を
人生の最後に、私たち家族、身内との縁をより深く結んでくれた父。神が言われる「心の道に良き因を残す」ことを目指す気持ちが、一段と高まりました。
結婚して3年半。夫婦げんかをしなかったのは、本音を言わなかっただけ。でも、今は違います。つらいことも、こうしてほしいと思うことも、素直に気持ちを話せます。「いい夫婦やね」と言われると、「いろいろあるけれど、何でも話し合ってやっとるんよ」と自信を持って答えている私。互いに分かり合える夫と家庭を築けて、仕合せだなと感謝しています。もっと家族で仕合せになって、親戚や身内との縁も大事にしている姿を父に見せていきたいです。
人生の大切な真理を学び、私の心を育んでくれた石川小松偉光会館。何度足を運んだか知れないその館が、このたび新生式を迎えて生まれ変わりました。私の心も新生の時。目指す姿は大きいけれど、夫婦で心を重ねて達成したいです。
家族で「教え」を学び
「真理」に生きる 家族の関わりが
和心を育てる
自然と家族の心は一つに重なり
会話も増える
魂が安らぐ家庭がつなぐ「心の道」は
太く 強くつながり
良き因が受け継がれてゆく
『真実の光・神示 令和5年版』130ページ(中略あり)