No. 1619

手にした温かな家族の絆
好転の始まりは一冊の図書

(横浜市HS/60代女性/主婦) 

小学生で養子に出された私の母は、寂しくて、毎日泣いてばかりいたそうです。育ての親になじめないまま成長し、家庭を持ったと聞きました。そんな母と祖父母の擦れ違いを、子供ながらに感じて育った私と弟。その場の空気を察し、気を使うことを覚えました。早くに父を亡くしてからは、居心地が悪くなったのか、弟は家に寄り付かず、疎遠になってしまったのです。 

その後、私は神と出会い、縁あって夫と結婚しました。夫は私を大切にしてくれたものの、激務に追われ、連日深夜に帰宅。なかなか話す時間が持てません。母と同じように私も、どこか寂しさが付きまとう、そんな日々を過ごしていました。 

一つの気付きからみるみる変化

ある時、手にした『理知の真理』家族は支え合い、信じ合い、声を掛け合うという一節が心に響きました。“縁を深める”姿が明確につかめ、「こうすればいいんだ!」と気持ちが切り替わったのです。気掛かりだった義父の介護も、まずは自分から夫に伝え、夫の気持ちも尋ねてみよう。家で話す時間がないなら、通勤中に読めるメールを使おう。届けた思いを、夫は受け止めてくれました。不思議と、夫婦で語り合い、共に教えを学ぶ時間も生まれてきたのです。 

縁を深めるコツをつかんで

そうした中で、義父のことも、少しずつ決まっていきました。施設で暮らす義父は、気難しい面があり、当初、義弟夫婦は関わりを拒否。けれど、夫と二人で「お義父さんのために、どうだろう?」などと連絡するうちに、力を貸してくれるようになったのです。急きょ、次の施設を探した時も、義妹の決断力に助けられ、義父も私たちも納得する場所に決まりました。一人で抱え込まず、みんなで支え合えば、全員が笑顔になれると実感。本当にうれしかったです。

家族の心が重なってくると、月に1度、義父を囲んでの食事会が恒例になりました。少しずつですが、義父からも感謝の言葉が。“縁を深める”手応えを感じる中で、思い切って実弟にも連絡を入れてみました。「元気?」「元気だよ」。1分もしない連絡も、半年、1年…と重ねる中で、「お母さんがこう言ってたよ」と、大切な話ができるまでに。信者でなかったら、勇気を振り絞ってまで、電話をしようと思わなかったはず。こんなにも変われたことに、自分でも驚いています。 

夢のように仕合せな毎日に

そうして4年前に義父を見送り、今年も光寿信者参拝時には、義弟夫婦と「神玉祭」の儀式に参列がかないました。年々関係が深まる私たちを、義父も喜んでくれていると思います。私と弟の関わりにも、さらに変化が。少し前には、一緒に母の施設を訪ねて、弟の還暦を祝ったのです。うれしそうな弟を前に、91歳になった母は、「何て仕合せなんだろう。子供たちに囲まれて!」と最高の笑顔。私も胸がいっぱいでした。味わえるはずのなかった、温かな家族のつながり。人生をまるで変えてくださった神に、感謝しかありません。

家族の心(運命)を重ねるために
  家族一人一人が「教え」を学び
     「教え」に生きる努力をする
 自然と 家庭に会話が生まれ
    心休まる家と生(な)ってゆく
互いを思い
 心(愛情)をかけ合う家庭に
    人の心(運命)は磨かれ
       奉仕に生きる人を育てる

『真実の光・神示 平成30年版』106ページ