No. 1605

職場でのつまずきを機に
家族の関わりまで次々好転

(青森県YY/60代女性/接客業) 

学校の用務員をして25年。2人の子供も独立し、今年3月末で退職しました。ちょうどその頃、娘の同級生のラーメン店が、「人手が足りずに困っている」と聞いたので、間を空けずに4月頭から手伝うことに。これが大きな転機となったのです。 

あっという間につまずいて…

困っている人を助けるのが好きな私。用務の仕事の経験から、「私は何でもできる」という自信も。ところが、現実は甘くなかった…。60歳を過ぎると、新しいことがなかなか頭に入ってこないのです。 

店は、昼食時に一気に混雑。スピードと気配りが求められます。そうした中で、何をするか戸惑ったり、運ぶテーブルを間違えたり…。その都度、店長に厳しく叱られます。すっかり自信を失い、1カ月たつころには、「もう無理…」という思いになりました。 

そんな時、地域の仲間に誘われて、偉光会館へ。すると、いろいろ気付くことが。「手がないと言うから、失業手当ももらわず、すぐ働き始めたのに…」「叱られてばかりで行くのが嫌だな」こんな気持ちで働いていた私。仕事において一番大切な、「奉仕心」とは程遠い姿が見えてきました。何も言わずとも、私の心は店長に伝わっていたのだと思います。それに、考えてみれば、食べ物を扱う仕事で、店長には責任もある。厳しく言うのは当然。うまく回らなかった原因が分かったら、「自分にできることをもっとしていこう」と、役に立ちたい思いが湧いてきました。 

奉仕の心でできることから

食材が届く場所には、山のように積み上げられた空き段ボール箱。仕事が終わった後に、全て片付けました。また、店の周りは、背丈の高い雑草が伸び放題。「お客さんが嫌な気持ちになるかも…」。用務の経験で、草刈り機の扱いはお手の物です。早朝3時間ほどかけて、店長が来るまでに一人で全て刈り取りました。それに気付いた店長は、「もしかして、草を刈ってくれた?」と。「はい、ずっと気になっていたので…」と言うと、びっくりした様子でした。 

互いに助け合い、頼り合って

その頃から、店長と少しずつ気持ちが通い始め、時には、たわいない冗談まで。ラーメンを運ぶ際には、私が間違えないように、「これ、何番テーブルだよ!」と教えてくれるのです。そんな優しさがうれしくて、少しでも店長に楽をしてほしい気持ちが芽生えます。 

仕込みが忙しい時間に、「何か手伝うことはありませんか?」と聞くと、「うれしい。それなら玉ねぎを切って!」などと頼まれることも。ちゃんと確認してから動くようになったら、一層互いに助け合い、頼り合える関係になれて、とても心地よいです。 

心に余裕が出てくると、お客さま一人一人への気配りもできるように。券売機で年配の方が戸惑っていると、優しく声を掛けたり、自分から近づいて、「どれがお薦め?」と聞かれたり…。お客さまの「ごちそうさま」に、心からの笑顔で「ありがとうございました」と返すのが、楽しくて仕方ありません。 

家族への思いにも変化が

元来、私は、人に頼れず、つらいことも一人で抱え込んでしまう性格。努力で何でも解決できると考え、学びも義務感になっていました。でも、大きくつまずいて、自ら求めて学んだら、全てが好転。子供たちに本音が言えるまでに変わってきました。 

また、認知症の母を受け止められなかった気持ちにも変化が。母は、「困っている人を助けたい」という気持ちの強い人。高齢で一人暮らしのご近所さんを気に掛けては、ゴミ捨てをしてあげていました。私にも、同じような面があります。「お母さんから、いいところを受け継いだんだな」そんな感謝と深い愛で向き合えるようになったのです。 

やっと大事なことに気付けた今、ここから、我が家の「心の道」を子供たちと磨いていけるよう、頑張っていきます。 

「教え」を学び
   「真理」に生きる思いを強く持つ
 この心が深まり 身に付くほどに
    人の心は 明るく 強くなれる
感謝の思いで
  人・物の存在を受け入れられる時
    人は皆 奉仕の心に生きている
 出会いはますます深まり
   互いの運命を重ね 補う
           関わりが持てる
自ら相手を受け入れ 関わる気持ちが
 働く意識を生み出し 成果につながる

『真実の光・神示 令和4年版』163ページ(中略あり)