(山形県SA/50代男性/公務員)
勤務先の移転を進める担当を任され、建設業者や住民との交渉などを重ね、順調に事が運んでいました。ところが突然、一人の住民から、「こんな話は聞いていない」との苦情が飛び込んできたのです。
もやもやした心にストンと落ちて
聞けば、その人が所有権を持つ場所の整備が気に入らず、元通りにしてほしいとの要望。上司に報告したものの、どうしたらよいのか分かりません。「きちんと説明したのに、何でいまさら。それをすれば、スケジュールどおりに行かなくなってしまう」。心が一気に、もやもや状態に陥ってしまいました。
この現実と向き合うには、何を軸にすればよいのか。それをつかみたくて偉光会館へ。すると、そこで会った地域の仲間が、同じような問題に直面して解決した体験があると言うのです。何という絶妙なタイミングでの出会いかと驚きました。その話からヒントを得て、教務相談も受けると、心に刺さるものが幾つも。「誠心誠意」「相手の思いを受け止める」「心がこもった対応」。一つ一つが神の教えとリンクして、心にストンと落ちた感覚でした。
やるべきことが明確に
自分の心を振り返ってみると、さらに気付くことが。「説明したつもり」「この整備はやって当然」そうした思いが強かったから、相手にきちんと伝わらなかったのかも…。相手の思いをよく聞いて、もう一度丁寧に説明してみよう。相手との関わり方が明確に見えて、もやもやはすっかり解消。問題に対して、真っすぐに立ち向かう強い心がしっかりと持てたのです。
数日後の話し合いの場には、各関連者のトップと出向き、住民側は町内会の副会長も同席。まずは自分たちが至らなかった点を謝罪したところ、苦情を言ってきた人が、その場所に対する思いを語り始めたのです。真剣に耳を傾けていく中で、共感できることも。気持ちを受け止めた上で、自分たちも、住民の方々が安心して、安全に暮らせるように考えている…。その思いとともに説明すると、何とすんなり理解してもらえ、和解に至ったのです。
今回のことで見えたもの
勤務先と住民との橋渡しをすべき私が、もし相手を責め、自分たちの思いを優先していたら…。きっと、移転は白紙、訴訟といった大問題へと発展していたに違いない。そう考えるだけで、ぞっとします。自分の心に、“正しい軸”を据えていく大切さを思い知りました。土地一つにも、人それぞれの思い入れがあります。だから、どのようなときも、“相手の心を大事にしていこう”。この経験を通して、そんな信念が持てました。
今回のことで、一人で心が詰まらなかったのは、家族のおかげ。家では、仕事の詳細は話せなくても、苦しい状況にあることを伝えたら、妻がアドバイスをくれたり、子供たちが応援してくれたり。温かい支えがあったから、前向きに臨めたのです。「うちの家族っていいな」と、あらためて感謝が湧きました。
人の思いを感じられる自分に
移転先の建物は、来年完成。これまで関わった人をはじめ、新たな出会いもたくさんあるでしょう。どんな場面でも、人の思いにしっかりと耳を傾けて、感じていけたら、きっと良い出会いが広がるはず。人から必要とされ、求められる存在を、ますます目指したいと思います。
「教え」を学び
「真理」に生きる思いを強く持つ
この心が深まり 身に付くほどに
人の心は 明るく 強くなれる
感謝の思いで
人・物の存在を受け入れられる時
人は皆 奉仕の心に生きている
出会いはますます深まり
互いの運命を重ね 補う
関わりが持てる
自ら相手を受け入れ 関わる気持ちが
働く意識を生み出し 成果につながる
『真実の光・神示 令和4年版』163ページ(中略あり)